昼特きっぷの代わり?ICOCA・PiTaPaの割引はどれくらいお得?

京阪神地区で人気のJR割引切符「昼間特割きっぷ(通称「昼特(ひるとく)」が廃止となり、2018年(平成30年)9月末で発売が終了しました。

その安さから沿線の人はもちろんですが、そうでなくても金券ショップのバラ売りにお世話にになった人は多いでしょう。自分もその一人ですがめちゃくちゃ残念です。

その昼特きっぷ廃止と合わせてJRが打ち出した割引サービスが、ICカードの「ICOCA(イコカ)」と「PiTaPa(ピタパ)」の利用者向けのこちら。

  • ICOCA⇒ ポイントサービス「時間帯指定ポイント」
  • PiTaPa⇒ 「時間帯指定割引」

これらのサービスは昼特きっぷの代わりといえるものですが、果たして昼特きっぷと比べてどうなのか?内容やお得度など違いを比べてみました。

ICOCA、PiTaPaの新割引サービスは、”使い方次第”で昼特きっぷ並みあるいはそれ以上にお得になる面や、普通回数券よりも安くなる場合もあることがわかりました。サービスダウンだけではないのです。

ICOCA、PiTaPaの割引サービスって?

JRでは「ICOCA(イコカ)」のポイントサービスと「PiTaPa(ピタパ)」の新しい割引制度を導入します(2018年10月1日~)

ICOCAのポイントサービスは、ICOCAでJRに利用すると、その回数に応じてポイントが貯まるというしくみです。貯まったポイントは1ポイント=1円として運賃や加盟店での支払いに充てることができます。ちまたでお馴染みのポイント還元による割引です。

PiTaPaの方は、ポイント式ではなく運賃そのものが利用回数に応じて割引になって、後日の請求額に反映されます。ちなみに、PiTaPaはJRでもポストペイ(後払い)式となります。

そのICOCAのポイントサービスとPiTaPaの割引制度で、昼特きっぷの代わりを意識したものが、ICOCA「時間帯指定ポイント」、PiTaPa「時間帯指定割引」という設定です。

昼特きっぷとはここが違う!

ICOCAの「時間帯指定ポイント」・PiTaPa「時間帯指定割引」は、昼特きっぷの代わりといえる割引サービスですが、違い(変更点)がいろいろあります。まとめると表のようになります。

昼特きっぷ 時間帯指定ポイント/割引
切符の種類 紙の回数券(1組6枚) ICカード(ICOCA、PiTaPa)
設定区間
  • JR京都線: 京都~大阪
    (吹田・岸辺・向日町・桂川を除く)
  • JR神戸線:大阪~元町
    (摩耶・灘を除く)
  • JR宝塚線:尼崎~宝塚
    (中山寺を除く)
  • 東西線:北新地と尼崎発着のみ
  • JR京都線: 京都~大阪
  • JR神戸線:大阪~元町
  • JR宝塚線:尼崎~宝塚
  • 東西線:北新地と尼崎発着のみ
使える時間帯
/適用時間帯
  • 平日の午前10時~午後5時
  • 土曜日、日曜日、祝日の終日(始発~終電)
  • 平日の午前10時~午後5時
  • 土曜日、日曜日、祝日の終日(始発~終電)
割引内容 切符記載の区間1回目の利用分から13~37%の割引。 同じグループの区間の4回目以上の利用分から1回30%、または50%のポイント還元あるいは割引。
有効期間
/集計期間
購入日から3ヶ月間有効 1ヶ月単位(1日~末日)で集計

カード利用者限定です!

昼特きっぷは誰でも買えて使えて、1枚ずつ家族や友達と使い分けることもできました。金券ショップではバラ売りができました。

しかし、ICOCA「時間帯指定ポイント」・PiTaPa「時間帯指定割引」は、いうまでもなく、ICカード利用者しか使えません。

設定区間や時間帯は昼特と同じ。全駅で利用OK!

ICOCA「時間帯指定ポイント」・PiTaPa「時間帯指定割引」の設定区間と適用される時間帯は、昼特きっぷを踏襲しています。

ただ昼特きっぷでは、設定区間であっても除外されていた駅が一部ありましたが、ICOCA、PiTaPaの割引はすべての駅で利用できます。※東西線は「北新地駅」だけとなります。

区間グループごとの利用回数でカウント!

昼特きっぷは、例えば「大阪~三ノ宮・元町」といったように駅と駅で区間が印刷されていて、その区間でしか使えませんでした。

ICOCA「時間帯指定ポイント」・PiTaPa「時間帯指定割引」では、下図のように区間がグループ分けされています。ポイントの付与や運賃の割引は、同じグループ内の区間の利用回数でカウントされます。

利用回数の集計は1ヶ月単位

ICOCAポイントサービスのポイント付与、PiTaPaの運賃割引のもとになる利用回数は、1ヶ月間(1日~末日)で集計します。月が替わるとカウントは仕切り直しになります。

昼特きっぷは有効期間が3ヶ月あったことと比べると、サービスダウンのように感じます。

割引は4回目の利用から適用。

ICOCA「時間帯指定ポイント」・PiTaPa「時間帯指定割引」の適用対象となるのは、その月の同じグループ区間の4回目の利用分からになります。1~3回目は割引のない普通運賃です。4回目以降は1回につき各グループに設定されている30%か50%のポイント率・割引率が適用されます(上の区間グループ表参照)。

この部分は、1回目の利用から割引運賃で乗れた昼特きっぷとは大きく違う点です。区間によって違いますが、平均12回以上利用すると昼特きっぷより総額で安くなります。

ちなみに、普通回数券(11枚綴りで10枚分の値段、3ヶ月有効)と比べると、1ヶ月に50%割引のグループ区間で4回以上、30%割引のグループ区間で5回以上利用すると、ICOCA・PiTaPaの割引サービスの方が安くなります。

主な区間の料金を比べてみました。

京阪神の主な区間を、1ヶ月間に最大11回利用した場合の普通回数券、昼得きっぷ、ICOCA・PiTaPaの「時間帯指定ポイント・割引」それぞれの金額を比べてみました。

「大阪駅~京都駅」の場合(普通運賃560円)

京都駅と大阪駅の間の普通運賃は560円です。この区間のICOCA・PiTaPaの4回目以降の割引率は50%です(グループ9)。

この区間(を含むグループ)を1ヶ月内に4回以上利用する場合、ICOCA・PiTaPaの方が、普通回数券よりも安くなります。

普通回数券 昼特きっぷ ICOCA・PiTaPa
発売価格 5,040円
(458円/枚)
2,100 円
(350円/枚)
1~3回目 458円×3回
=1,374円
350円×3回
=1,050円
560円×3回
=1,680円
4~6回目 458円×3回
=1,374円
350円×3回
=1,050円
280円×3回
=840円
(小計) (2,748円) (2,100円) (2,520円)
7回目~11回目 458円×5回
=2,290円
350円×5回
=1,750円
280円×5回
=1,400円
合計 5,040円 3,850円 3,920円
普通運賃に対して 18%割引 38%割引 36%割引

※この区間は「普通回数券」を9回分の値段で発売している「特定区間」です。

「大阪駅~三ノ宮駅/元町駅」の場合(普通運賃410円)

大阪駅と神戸の三ノ宮駅・元町駅の普通運賃は410円です。この区間のICOCA・PiTaPaの4回目以降の割引率は50%です(グループ21)。

この区間(を含むグループ)を1ヶ月内に4回以上利用する場合、ICOCA・PiTaPaの方が、普通回数券よりも安くなります。

普通回数券 昼特きっぷ ICOCA・PiTaPa
発売価格 3,690円
(335円/枚)
1,620円
(270円/枚)
1~3回目 335円×3回
=1,005円
270円×3回
=810円
410円×3回
=1,230円
4~6回目 335円×3回
=1,005円
270円×3回
=810円
205円×3回
=615円
(小計) (2,010円) (1,620円) (1,845円)
7回目~11回目 335円×5回
=1,675円
270円×5回
=1,350円
205円×5回
=1,025円
合計 3,690円 2,970円 2,870円
普通運賃に対して 18%割引 34%割引 36%割引

※※この区間は「普通回数券」を9回分の値段で発売している「特定区間」です。

「大阪駅/北新地駅~宝塚駅」の場合(普通運賃330円)

大阪駅・北新地駅と宝塚駅の普通運賃は330円です。この区間のICOCA・PiTaPaの4回目以降の割引率は50%です(グループ30)。

この区間(を含むグループ)を1ヶ月内に4回以上利用する場合、ICOCA・PiTaPaの方が、普通回数券よりも安くなります。

普通回数券 昼特きっぷ ICOCA・PiTaPa
発売価格 3,300円
(300円/枚)
1,320円
(220円/枚)
1~3回目 300円×3回
=900円
220円×3回
=660円
330円×3回
=990円
4~6回目 300円×3回
=900円
220円×3回
=660円
165円×3回
=495円
(小計) (1,800円) (1,320円) (1,485円)
7回目~11回目 300円×5回
=1,500円
220円×5回
=1,100円
165円×5回
=825円
合計 3,300円 2,420円 2,310円
普通運賃に対して 9%割引 33%割引 36%割引

「大阪駅/北新地駅~尼崎駅」の場合(普通運賃180円)

大阪駅・北新地駅と尼崎駅の普通運賃は180円です。この区間のICOCA・PiTaPaの4回目以降の割引率は30%です(グループ17)。

この区間を1ヶ月内に5回以上利用する場合、ICOCA・PiTaPaの方が、普通回数券よりも安くなります。

普通回数券 昼特きっぷ ICOCA・PiTaPa
発売価格 1,800円
(164円/枚)
900円
(150円/枚)
1~3回目 164円×3回
=492円
150円×3回
=450円
180円×3回
=540円
4~6回目 164円×3回
=492円
150円×3回
=450円
126円×3回
=378円
(小計) (984円) (900円) (918円)
7回目~11回目 164円×5回
=820円
150円×5回
=750円
126円×5回
=630円
合計 1,800円 1,650円 1,548円
普通運賃に対して 9%割引 17%割引 22%割引

「大阪駅~高槻駅」の場合(普通運賃260円)

大阪駅と高槻駅の普通運賃は260円です。この区間のICOCA・PiTaPaの4回目以降の割引率は30%です(グループ12)。

この区間(を含むグループ)を1ヶ月内に5回以上利用する場合、ICOCA・PiTaPaの方が、普通回数券よりも安くなります。

普通回数券 昼特きっぷ ICOCA・PiTaPa
発売価格 2,600円
(236円/枚)
1,320円
(220円/枚)
1~3回目 236円×3回
=708円
220円×3回
=660円
260円×3回
=780円
4~6回目 236円×3回
=708円
220円×3回
=660円
182円×3回
=546円
(小計) (1,416円) (1,320円) (1,326円)
7回目~11回目 236円×5回
=1,180円
220円×5回
=1,100円
182円×5回
=910円
合計 2,600円 2,420円 2,236円
普通運賃に対して 9%割引 15%割引 22%割引

1ヶ月の利用回数が核心!

昼特きっぷの廃止後、その代わりとして安く利用する方法としては、普通の回数券(11枚綴り、終日使用可、3ヶ月有効)か、このICOCA「時間帯指定ポイント」・PiTaPa「時間帯指定割引」の2つが主になります。

普通回数券かICOCA・PiTaPaのどちらを選ぶかは、「1ヶ月間に同じ区間を何回乗るか?」という点によります。

上の主な区間の例でみたように、30%割引の区間なら5回以上、50%割引の区間なら4回以上利用するなら、ICOCA「時間帯指定ポイント」・PiTaPa「時間帯指定割引」の方が安くなります。11~12回となると、昼特きっぷ以上にお得になります。

逆に利用が数回なら普通回数券か、そのバラ売りを金券ショップで買う方が得です。

昼特きっぷの愛用者でなくても、同じ区間を月に4~5回ぐらいなら乗るよという人は多いと思います(往復なら2~2.5回)。その場合は普通回数券よりもお得になるICOCAポイントサービスやPiTaPaの割引サービスの利用がおすすめです。

「時間帯指定ポイント/割引」以外にも「利用回数ポイント/割引」という設定もありますので、ICOCAやPiTaPaを持っていない人は、これを機にICカードデビューしてみてはいかがでしょうか。ICカードの普及を目指すJRの思う壺ですが(笑)。

※ICOCAポイントサービスを受けるためにはあらかじめ利用登録が必要です。駅の券売機で簡単に手続きできますので忘れずに。費用もかかりません。PiTaPaの方は特に手続きなど必要ありません。自動的に利用回数がカウントされます。支払いはJRでもポストペイ(後日請求)になりますので、事前の入金(チャージ)も不要です。