京都市内や滋賀県の大津市内、あるいは大阪方面から「日帰りで安く」比叡山と延暦寺をゆっくり、じっくり満喫したいときには、京阪電車の「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」という割引切符でアクセスすると、使い勝手がいいので便利です。
特に、この切符は京都から大津へ、あるいは、大津から京都へという比叡山を横断するルートを楽しめる点がおすすめです。
ここでは、「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」(2019年版)はどんな切符なのか、その内容と発売期間や値段、購入方法を紹介します。
目次
「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」ってどんな切符?
「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」は、京阪電車と京都市内と大津市内と比叡山を結ぶ電車やケーブルカー、山内バスなど交通機関と延暦寺の巡拝料がセットになった割引切符です。日帰り周遊用です。
比叡山へのアクセスを全てカバー!しかも乗り放題!
比叡山へアクセスするルートには、京都側からと大津(滋賀)側からの2つがあります。
京都ルートは「出町柳駅」(京阪電車・叡山電車)を、大津ルートは「坂本比叡山口駅」(京阪電車)を拠点に、電車やケーブルカーなどを利用して楽に比叡山へアクセスできます。
そして、比叡山の山の上では、山内シャトルバス(路線バス)が、延暦寺の3つの地区(東塔・西塔・横川)を結んでいます。
は、大阪、京都、大津方面からのアクセスと山上の交通機関を、1日乗り放題できる(何回でも乗り降り自由)便利な切符です(下図)。
【利用できる交通機関(アクセス&乗り放題)】
- 京阪電車の全線(京阪線、大津線、参道ケーブル)
- 京都市営地下鉄(三条京阪駅〜御陵駅)
- 叡山電車(出町柳駅〜八瀬比叡山口駅)
- 叡山ケーブル・叡山ロープウェイ
- 坂本ケーブル
- 江若バス(JR比叡山坂本駅/京阪坂本比叡山口駅〜ケーブル坂本駅)
- 比叡山内シャトルバス(比叡山頂〜東塔〜横川、ロテル・ド・比叡)
このように「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」は、京都側から大津側へ、あるいは大津側から京都側へ、比叡山を抜けて横断する旅を楽しんだり、比叡山に行った後に大阪方面へ向かうといった使い方もできます。
延暦寺の巡拝料が含まれています!
比叡山といえば延暦寺ですが、「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」には、その名前の通り、延暦寺の拝観料にあたる「巡拝料(東塔・西塔・横川共通)」が含まれています。
ちなみに、巡拝料の一般料金はこのようになっています。
大人 | 中高生 | 小学生 | |
共通巡拝券 | 700円 | 500円 | 300円 |
「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」のままで、延暦寺の3地区をシャトルバスを使って自由に巡れます。
※巡拝できる時間に注意してください。東塔は8時30分〜16時30分、西塔・横川は9時〜16時(季節によって異なります)。
提携の観光施設などで優待特典が受けられます!
「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」には、それを大阪~京都~大津の沿線で提携している観光施設や寺社、店舗などで提示すると、料金の割引などの優待が受けられる特典がついています(約160か所)。
※提携先や内容の最新情報は公式サイトで確認ください(下方にリンクがあります)。
「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」の値段はいくら?
「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」は大人用と子供用が用意されていて、それぞれの値段はこのようになっています。
大人用 | 3,900円 |
子供用 | 1,800円 |
それでは、この「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」の値段が、どれくらいお得なのかをみてみましょう。
出町柳、坂本比叡山口から使っても損はなし!
まず、比叡山へのアクセス拠点、京都側の「出町柳駅」と大津側の「坂本比叡山口駅」から「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」を使ってアクセスした場合と、使わない通常の場合の費用を比べてみました。
以下のように、京都側からの往復、大津側からの往復、京都~比叡山~大津の横断するルートともに、「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」は通常の場合(巡拝券込み)とほぼ同じで、値段的にはほとんど損はありません。
◆京都⇒大津/大津⇒京都と比叡山を「横断」する場合
利用交通機関 | 通常運賃(片道) | 巡拝チケット |
叡山電車(出町柳駅~八瀬比叡山口駅) | 270円 | ーー |
叡山ケーブル | 550円 | |
叡山ロープウェイ | 350円 | |
比叡山内シャトルバス | 1日券1,000円 | |
坂本ケーブル | 870円 | |
江若バス(坂本比叡山口駅~ケーブル駅) | 210円 | |
京都~大津横断の交通費合計 | 3,250円 | |
延暦寺巡拝券 | 700円 | |
京都~大津横断合計(出町柳~坂本比叡山口) | 3,950円 | 3,900円 |
◆京都ルート、あるいは大津ルートを往復した場合
経路 | 通常 | 巡拝チケット |
京都ルート往復(出町柳駅発着) | 4,040円 | 3,900円 |
大津ルート往復(坂本比叡山口駅発着) | 3,780円 | 3,900円 |
※坂本ケーブルは片道大人870円ですが、往復割引で1,660円になります。
京阪電車が実質タダ!しかも乗り放題!
「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」には、大阪方面などから「出町柳駅」「坂本比叡山口駅」までの京阪電車の電車代も含まれています。
上記のように、「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」の値段が、「出町柳駅」「坂本比叡山口駅」から比叡山へ通常の交通費がほぼ同じということは、その2駅までの京阪電車代が実質無料(タダ)だとみることができます。しかも、乗り放題です。
ちなみに、京阪電車の主な区間の普通運賃は下記の通りです(大人片道)。
◆京都ルート「出町柳駅」へ
淀屋橋駅・京橋駅~出町柳駅 | 480円 |
三条駅~出町柳駅 | 220円 |
びわ湖浜大津駅~出町柳駅 | 650円 |
◆大津ルート「坂本比叡山口駅」へ
淀屋橋駅・京橋駅~坂本比叡山口駅 | 990円 |
三条駅~坂本比叡山口駅 | 570円 |
びわ湖浜大津駅~坂本比叡山口駅 | 240円 |
京阪電車の主要駅から比叡山へ行った場合、ルート別の普通運賃(往復だけ)はこちらです。「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」を使った方が、カッコの割合だけ安くなります。
経路 | 淀屋橋駅発着 | 三条駅発着 | 浜大津駅発着 |
京都ルート往復 | 5,000円 (22%割引) |
4,480円 (13%割引) |
5,340円 (27%割引) |
大津ルート往復 | 5,760円 (32%割引) |
4,920円 (21%割引) |
4,260円 (8%割引) |
京都~大津横断 | 5,420円 (28%割引) |
4,740円 (18%割引) |
4,840円 (19%割引) |
たとえば、大阪の淀屋橋や京橋からの場合は、京都ルートで1,100円(22%)、大津ルート1,840円(32%)、横断ルート1,520円(28%)安くなります。中之島駅からだと、大津ルート往復で34%も割引になります。
繰り返しになりますが、「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」は、京阪電車が全線乗り放題なので、比叡山と合わせて、京都や大津、琵琶湖、大阪の観光も楽しめるメリットもあります。
関西のJR沿線からは「秋の関西1デイパス」(2019年版)がお得です。JRの1日乗り放題などに加えて、この「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」とほぼ同じ内容の周遊切符も利用できて、大人3,670円(子供1,830円)です。発売終了
「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」の発売期間と有効期間
発売期間(買える期間)
「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」は、下記の期間限定の発売です。
【2019年版】
2019年(平成31年)3月21日〜(令和元年)12月1日 ⇒発売終了しました
有効期間(使える期間)
「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」を購入した当日の1日間(始発~最終)
※京阪線の駅以外(大津線の駅や「京なび」など)で発売している版は、発売期間中の好きな1日間が有効です。
「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」はどこで買える?(購入方法)
「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」は、下記の場所で販売されています。京都や大津でも買えます。大阪では京阪電車の駅で買ってください。
京阪電車「京阪線」の駅 |
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京阪電車「大津線」の駅 |
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駅以外 |
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「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」公式サイト
「世界遺産・比叡山延暦寺巡拝チケット」や優待特典が受けられる場所の最新情報については京阪電車の公式サイトで確認してみてください。
「世界遺産 比叡山延暦寺巡拝チケット」は、大阪、京都、大津から比叡山延暦寺への日帰り参拝、観光には最強最安クラスのお得な切符です。
京都や大津で買っても損にはなりません。比叡山へ電車やバスなどの運賃を普通に払っていくのがアホらしくなるくらいです(笑)。せっかくなので、京都・大津間を比叡山を抜けて横断してみてはどうでしょうか。1日あれば十分楽しめますよ。