
こんなお悩みにお答えします。
【この記事の内容】
- 京都市の「バス一日券」と「地下鉄・バス一日券」の違い、特にバスが利用できる範囲の違いについて紹介します。
京都市内を、バスを使って、できるだけ安く移動したいというあなたに、乗り放題の1日乗車券は強い味方です。
観光都市だけあって、いろんな種類の1日乗車券が発売されていますが、最初は定番中の定番の「バス一日券」と「地下鉄・バス一日券」から検討するのがおすすめです。
どちらも値段は格安で、広い範囲で利用できるので、観光や仕事で市内のあちこちをまわるのに便利なうえ、交通費の節約も期待できます。
「バス一日券」と「地下鉄・バス一日券」の大きな違いは、文字通り、地下鉄に乗れるかどうかですが、実はバスが利用できる範囲(区間)も違っているんです。
ここでは、この点を中心に、「バス一日券」と「地下鉄・バス一日券」で迷ったときの、選ぶポイントをまとめました。

京都「バス一日券」「地下鉄・バス一日券」の選ぶ3つのポイント
京都市内の移動は、路線バスが便利です。多くの観光地や名所へアクセスできます。
そのバスを、1日に4回以上利用するようでしたら、乗り放題の1日乗車券を使った方が、たいだいお得です。
その定番的なものは、京都市の交通局が発売している「バス一日券」と「地下鉄・バス一日券」です。
京都の乗り放題切符は、他にも何種類かありますが、まず、この2つの切符をチェックしておくといいですよ。
どっちを買った方がいいのか、選ぶ際の確認ポイントは、次の3つ。
- 地下鉄の利用
- バスの利用範囲
- 優待特典の内容
まず、選ぶポイントの1つ目は、地下鉄を使うかどうかです。
実際のところ、地下鉄を使わなくても、バスだけで行けるところは多いです。それに「バス一日券」は「地下鉄・バス一日券」よりも値段が安いので、バスだけの方に気持ちが傾きがち。
ただ、バスは長い距離の移動だと時間がかかるのと、渋滞や混雑、天候などで時間が読めないというデメリットがあります。
行き先によっては、途中、地下鉄を利用することで、効率的、そして臨機応変な移動が可能です。
地下鉄が要るかどうかは、このあたりを踏まえて検討してみてください。
そして、2つ目の選ぶポイントが、バスを利用できる有効範囲(区間)です。実は、ここが一番重要!
普通、「バス一日券」と「地下鉄・バス一日券」の違いは、地下鉄に乗れるかどうかで、バスの部分は共通だと考えますが、京都ではそうではありません(下表)。
「バス一日券」と「地下鉄・バス一日券」の比較表
バス一日券 | 地下鉄・バス一日券 | |
値段 | 大人700円、子供350円 | 大人1,100円、子供550円 |
京都市営地下鉄 | ×利用できません | ○利用できます |
京都市営バス | 均一料金区間のみ | 均一料金区間と洛西方面 |
京都バス | 均一料金区間のみ | 均一料金区間と 大原方面 |
西日本JRバス | 均一料金区間のみ | 均一料金区間のみ |
京阪バス | 利用できません | 京都市中心部、山科、醍醐、六地蔵方面 |
優待特典が受けられる先 | 7か所 | 約60か所 |
このように「地下鉄・バス一日券」の方が、利用できる路線が多く、範囲が広くなっています。つまり、「バス一日券」で行けないところへも、行けるということです。
「バス一日券」と「地下鉄・バス一日券」、どちらを買うか選ぶ際には、この点に注意が必要です(具体的には後述します)。
最後、3つ目のポイントは特典内容です。
「バス一日券」と「地下鉄・バス一日券」には、対象の施設で料金の割引やプレゼント進呈など優待が受けられる特典が付いているのですが、その内容が違うんです。「地下鉄・バス一日券」の方が、圧倒的に充実しています。
それぞれの切符の特典に、あなたが行きたい施設が入っているかどうか、確認してみてください。
「地下鉄・バス一日券」にしかない料金割引のある施設に行くようでしたら、切符の値段は高くても、全体の出費としては、安くつくかもしれません。

「バス一日券」「地下鉄・バス一日券」について詳しくは、こちらの記事も参考のしてください。
京都「バス一日券」「地下鉄・バス一日券」のバス範囲の違い
先述の通り、「バス一日券」と「地下鉄・バス一日券」とでは、バスを乗り放題できる範囲が違います。図で表すと、こんな感じ。
「バス一日券」は、図の橙色の楕円内が対象です。市バスと京都バス、JRバスの「均一料金区間」にあたります。市街地の大部分をカバーしています。
「均一料金区間」というのは、乗車した距離に関係なく運賃が一律で設定されている区間のこと。ちなみに、京都では大人230円、子供120円です。
「地下鉄・バス一日券」の方は、この「均一料金区間」に加えて、緑の円の大原、桂、洛西、長岡京、山科、小野、醍醐、六地蔵といった郊外への路線も利用できます。
これらの方面へ、1日乗車券で出かけたいときは、地下鉄に乗るつもりがなくても、「地下鉄・バス一日券」を選ぶしかありません。
「地下鉄・バス一日券」は京阪バスも利用可能
「バス一日券」では、市バスと京都バス、JRバスの3社の路線を利用できますが、「地下鉄・バス一日券」では、さらに京阪バスも利用できます。
具体的には、下図の路線です。山科、小野、醍醐、六地蔵といった市内の東部は京阪バスのほぼ独壇場。京都駅や四条河原町など市街地の中心部にも乗り入れています。
上の図の水色の部分は、「バス一日券」の範囲(均一運賃区間)です。ここでは、市バス、京都バス、JRバスに加えて、京阪バスにも乗れるので、バスの乗車機会が増えます。
また、京阪バスは、次のような観光に便利な路線も運行しています。これらも「地下鉄・バス一日券」でしか利用できません。
西本願寺・清水寺ライン | 西本願寺~五条坂《清水寺など》~山科~京都駅八条口(運賃運賃230円~250円) |
京都醍醐ライン | 京都駅八条口~醍醐寺(運賃250円~280円) |
稲荷大社・伏見・醍醐ライン | 京都駅八条口~伏見稲荷~城南宮~中書島《伏見の酒蔵など》~醍醐寺(運賃230円) |
将軍塚青龍殿循環ライン | 三条京阪~四条河原町~五条坂《清水寺など》~将軍塚青龍殿~神宮道《青蓮院門跡、平安神宮》~三条京阪(運賃230円)※土日祝中心の運行 |
京阪七条京都ステーションループ | 京都駅~京阪電車七条駅(運賃230円) |
「バス一日券」で範囲外に乗り越すのは損
「バス一日券」で、乗り放題範囲の外へまたがって利用する場合(乗り越し)は、通し運賃との差額ではなくて、境界のバス停からの通常運賃を、追加で支払うことになります。
例えば、「バス一日券」で、その範囲外の大原まで乗ったときは、こうなります。
【京都駅から大原へ(京都バス17系統:京都駅~花園橋~大原)】
行き先 | 追加運賃(片道) |
京都駅~大原 | 通し運賃560円 |
均一区間:京都駅~花園橋 | 均一運賃230円 ←「バス一日券」OK |
均一区間外:花園橋~大原 | 区間運賃330円 ←追加支払い |
京都駅から大原までの普通に乗れば片道運賃は560円です。途中の「花園橋」というところまでが均一運賃区間になっていて、ここまでは「バス一日券」が有効です。それより先、大原までは有効範囲外なので、追加運賃が必要になります。
その追加金額は、花園橋から大原までの通常運賃の330円です。
往復だと660円になりなすが、「地下鉄・バス一日券」と「バス一日券」の値段差(400円)よりも、高いです。
このため、大原へ行く場合は、はじめから「地下鉄・バス一日券」を買った方が安く付くということになります。
このように、市街地から郊外の均一運賃区間外へ出かけるときは、「バス一日券」で乗り越すと損になるケースがあります。このときは、地下鉄の利用に関係なく、バスの範囲で「地下鉄・バス一日券」を選択した方がいいです。
でも、こんなことは、土地勘がないと、自分が行きたい目的地が「バス一日券」「地下鉄・バス一日券」の範囲内かどうか、分かりにくいです。なので、出かける前に”予習”しておくことをおすすめします。
【参考】このほか京都のバス1日乗車券
京都のバス1日乗車券では、「バス一日券」「地下鉄・バス一日券」が定番ですが、この外にもいくつか種類があります。検討の2段階目として、行先や目的に合わせて、選択肢に入れてみてください。
「バス&えいでん 鞍馬・貴船日帰りきっぷ」
「バス一日券」「地下鉄・バス一日券」ともに範囲外なのは洛北の鞍馬や貴船方面です。「バス&えいでん 鞍馬・貴船日帰りきっぷ」は、その方面へ行くのに便利な1日乗車券です。
市街地の均一区間に加えて、洛北方面の路線バス、そして叡山電車と京阪電車の東福寺駅~出町柳駅間が1日乗り放題できます。
「バス・嵐電一日券」
「バス・嵐電一日券」は、「バス一日券」に、ローカル電車「嵐電」の1日乗り放題を追加したものです。
「京阪バスIC1dayチケット」
「京阪バスIC1dayチケット」は、京阪バスの「地下鉄・バス一日券」で利用できる範囲を含む京都府、大阪府、滋賀県の全路線が乗り放題できる1日乗車券です。
ただし、ICカードのICOCA(イコカ)かPiTaPa(ピタパ)が必要になります。
京都「バス一日券」「地下鉄・バス一日券」公式サイト
「バス一日券」「地下鉄・バス一日券」など京都市営地下鉄、バスの1日乗車券の最新情報は、京都市交通局の公式サイトで確認ください。
京都市内は「バス一日券」でだいたいカバーできていますが、それでも上記のように範囲外がちょこちょこあります。
このため、「バス一日券」「地下鉄・バス一日券」を選ぶときに、地下鉄に乗らないという理由だけで決めてしまうと、結果的に損することがあります。
地下鉄の利用は二の次にして、まずは、バスの利用範囲が、あなたの行きたい場所をカバーしているかどうかを確認したほうがいいです。
【参考】京都のお得な切符一覧
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