こんなお悩みにお答えします。
【この記事の内容】
- 近鉄電車の「ICOCAポイント還元サービス」を紹介します。
近鉄電車では、廃止した回数券に代わるものとして、「ICOCAポイント還元サービス」を実施しています。
これは、1ヵ月のうちに、ICカードのICOCA(イコカ)で近鉄を利用した回数に応じて、運賃の一部がポイントで還元されるというものです。
ここでは、「ICOCAポイント還元サービス」がどんなものなのか、その内容と利用方法(ポイントの貯め方、使い方)をまとめました。
回数券との違いにも触れています。
普段の近鉄電車代を少しでも安くしたいというあなたはチェックしてみてください。
近鉄の回数券は廃止になりました。
近鉄電車では、2024年2月末で回数券(下記)の発売を終了しました(=廃止)。
- 普通回数券(パールカード11)
- 時差回数券(オフピークチケット)
- 土・休日割引回数券(サンキューチケット)
なお、障碍者用、通学用(通信制学校、放送大学)、生駒ケーブル用の回数券は引き続き発売されます。
近鉄「ICOCAポイント還元サービス」とは?回数券との違いは?
「ICOCAポイント還元サービス」は、ICカードの「ICOCA(イコカ)」で近鉄電車に乗ると、ICOCAポイントが貯まるサービスです。
具体的には、毎月1日~末日の間に、近鉄電車を11回以上利用すると、11回目以降の合計運賃の10%が、翌月の15日に「ポイント」で戻ってきます。
毎回の利用区間は、近鉄の範囲内(下図)なら、どこでもOK。1駅だけの片道乗車でも「利用1回」とカウントされます。
この点は、決まった区間しか乗れない回数券とは違います。
※生駒ケーブルと葛城山ロープウェイの利用は対象外です。
あらためて、ポイントの還元率はこのようになっています。
「ICOCAポイント還元サービス」の開始直後は、「サービス導入記念キャンペーン」で、1回目の乗車からポイントが付きます。
月の利用回数 | 通常 | 記念キャンペーン中 |
1~5回目 | ポイントなし | 運賃合計の8% |
6~10回目 | 運賃合計の10% | |
11回目~ | 運賃合計の10% |
「サービス導入記念キャンペーン」の実施期間はこちら。
このように、「ICOCAポイント還元サービス」では、通常の場合、11回目からの運賃が実質1割引になるということです。
逆に、1~10回目の乗車は、ポイントの対象外で割引なしです。
回数券は、1回目から割引(9.9%~)がありました。「ICOCAポイント還元サービス」は、割引、お得さの点では「改悪」といえます。
回数券との違い
回数券 | ICOCAポイントサービス | |
利用区間 | 決まっている(○○円区間) | 決まっていない |
割引率・還元率 | 乗車1回目から9.9%(時差16%、土休日28%)割引 | 乗車11回目から10%(キャンペーン中は1回目から8%、6回目から10%)のポイントを還元 |
有効期間・集計期間 | 購入日から3か月 | 毎月1~末日 |
近鉄「ICOCAポイント還元サービス」に必要なものは?
「ICOCAポイント還元サービス」を利用するには、ICOCAとその事前登録が必要です。
誰でも、ICOCAで近鉄に乗れば、ポイントがもらえるというわけではないので、注意が必要です。
使うICOCAを用意
まず、ICOCAを用意します。
チャージ(入金)して使えるものなら、どんな種類でも大丈夫です。
近鉄以外の他社で購入したものや、定期券として使っているもの、他社のポイントサービスに登録しているもの、KIPS ICOCA、スマートICOCA、そして、モバイルICOCAも使えます。
ただし、PiTaPaやSuicaなどICOCA以外の交通系ICカードは使えません。
ICOCAを持っていない場合は、近鉄電車をはじめJR西日本、関西の私鉄や地下鉄の駅の券売機や窓口ですぐに買えます。
値段は保証金(預り金)500円込みで1枚2,000円の場合が多いです。1,500円分を電車やバスの乗車などに使えます。
保証金はICOCAを返却すると戻ってきます。
また、スマホがあれば、アプリ版の「モバイルICOCA」が便利です。Google、Appleの各ストアから無料でダウンロードできます。保証金も不要です。
PiTaPa(ピタパ)を持っていたら
あなたが、ICカードの「PiTaPa(ピタパ)」を持っているなら、「ICOCAポイント還元サービス」を利用しなくてもいいです。
通常、PiTaPaで近鉄電車を1か月の間(1日~末日)に利用した運賃が合計3,151円以上になると、自動的に請求金額が1割引になります。
今回のICOCA「サービス導入記念キャンペーン」期間中(2~9月)は、合計運賃にかかわらず1割引が適用されます。つまり、PiTaPaなら1回目から1割引で近鉄に乗れます。
※PiTaPaの事前登録は不要です。PiTaPaで乗るだけで割引になります。
利用するICOCAを登録
ICOCAを用意したら、それを「ICOCAポイント還元サービス」用に利用登録します。
費用はかかりません。
登録は、近鉄電車の主要駅に設置されている「定期券自動発売機」(画像の機種)で行います。
「定期券自動発売機」設置駅
大阪府 | 大阪難波駅、日本橋駅、上本町駅、鶴橋駅、布施駅、河内小阪駅、八戸ノ里駅、東花園駅、瓢箪山駅、荒本駅、新石切駅、長瀬駅、八尾駅、河内山本駅、高安駅、河内国分駅、大阪阿部野橋駅、針中野駅、矢田駅、河内天美駅、河内松原駅、藤井寺駅、古市駅、喜志駅、富田林駅、河内長野駅 |
奈良県 | 生駒駅、東生駒駅、富雄駅、学園前駅、大和西大寺駅、新大宮駅、奈良駅、王寺駅、高の原駅、郡山駅、田原本駅、大和八木駅、橿原神宮前駅、天理駅、学研奈良登美ヶ丘駅、五位堂駅、大和高田駅、桜井駅、榛原駅、尺土駅、高田市駅、壺阪山駅、下市口駅 |
京都府 | 京駅駅、丹波橋駅、向島駅、小倉駅、大久保駅、新田辺駅、興戸駅、新祝園駅 |
三重県 | 名張駅、桔梗が丘駅、伊賀神戸駅、伊勢中川駅、桑名駅、富田駅、四日市駅、塩浜駅、伊勢若松駅、白子駅、津駅、津新町駅、久居駅、松阪駅、伊勢市駅、宇治山田駅、鳥羽駅、鵜方駅 |
愛知県 | 名古屋駅、蟹江駅、弥富駅 |
※設置駅の最新情報は公式サイトで確認ください。
実際の操作は、ICOCAを発売機の受け皿に置いて、表示される画面の案内にしたがって、次の3つの項目を入力するだけです。
- 氏名(カタカナ)
- 生年月日
- 電話番号
利用登録が完了したら、その月の1日にさかのぼって、利用回数がカウントされます。
このため、いつ登録しても損得はありません。
「ICOCAポイント還元サービス」の登録は、このサービスが続く限り有効です。
ただし、最後に利用した月の翌月から12か月間、そのICOCAで乗車していないときは、自動的に登録が解除されます。その際は、また発売機で登録すればOKです。
なお、登録した「電話番号」の最後の4ケタは、ポイント受け取り(チャージ)の際に必要な「確認番号」になります。
※他社でICOCAポイントサービスに登録していても、近鉄の「ICOCAポイント還元サービス」を利用したい場合は、近鉄での登録が必要です。
近鉄「ICOCAポイント還元サービス」の利用方法は?
次に、「ICOCAポイント還元サービス」の利用方法をみていきましょう。
乗車から、利用回数の集計、そして「ポイント」ゲットまでの流れです。
乗り降りはICOCAを確実にタッチ!
「ICOCAポイント還元サービス」に登録しても、ICOCAの使い方に特別なことはありません。
ただ、次の2点だけに注意が必要です。
- ICOCAは、利用登録したものを使うこと。
- ICOCAを乗車駅と下車駅の「両方」で自動改札機に「確実に」タッチすること。
「ICOCAポイント還元サービス」では、「利用回数」のカウントが重要です。
その利用回数は、乗車駅と下車駅でそれぞれ1回ずつ合計2回のタッチで「1回」になります。
どちらかのタッチがちゃんとできてなくて、エラーになるとカウント対象外です。
とくに、ラッシュ時などで改札機が混雑していると、タッチしたつもりでも、実際はそうなっていないことがあります。
ポイントをもらうために、これまでよりも意識してタッチするようにした方がいいです。
月末に利用回数とポイントが自動集計
ICOCAで乗車した「利用回数」と還元のポイント数は、毎月末に1日~末日の乗車実績で自動的に集計されます。
【ポイント計算の例】サービス導入記念キャンペーン中の場合
利用区間(運賃) | 合計運賃 | 還元ポイント数 |
|
【1~5回目】 2,070円 |
165.6ポイント (8%) |
|
【6~10回目】2,200円 | 220ポイント (10%) |
|
【11~20回目】9,660円 | 966ポイント (10%) |
利用回数:20回 | 13,930円 | 1,351.6 ⇒1,350ポイント |
※10ポイント未満の端数は切り捨てとなります。
※ポイント還元の対象は近鉄区間の運賃です。特急料金やデラックス料金などは関係ありません。
翌月15日以降にポイントをチャージ
集計で確定したICOCAポイントは、翌月の15日に付与されます。
特に通知はありません。
ポイントは、そのままでは使えません。あなたのICOCAのなかに移す「チャージ」という手続きが必要です。
「チャージ」は、近鉄主要駅の「定期券自動発売機」(利用登録できる同じ機種)で行います。
ICOCAポイントをチャージする際の「確認番号」は?
ポイントのチャージは画面表示に従って操作するだけです。ただ、その際に、4ケタの「確認番号」の入力を求められます。
この「確認番号」は、登録した電話番号の最後4つの数字になります。
【例】090-1234-5678の場合、確認番号は「5678」
ポイントの「チャージ」ができる期間は、翌月15日から3カ月後の末日まで。
例えば、9月中の利用で貯まったポイントは、10月15日に付与されます。チャージの期限は12月31日になります。
この期限を過ぎると、ポイントは消滅してしまいますので、注意してください。
チャージが済むと、ポイントはICOCAの残高に入りますので、すぐに1ポイント=1円として使えます。
なお、チャージしたあとの残高には、使用の期限はありません。
近鉄「ICOCAポイント還元サービス」公式サイト
近鉄電車の「ICOCAポイント還元サービス」や回数券廃止の最新情報は、公式サイトで確認ください。
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