こんな疑問にお答えします。
【この記事の内容】
- 阪急電車、阪神電車、山陽電車、能勢電鉄、神戸電鉄の「ICOCAポイント還元サービス」を紹介します。
阪急電車、阪神電車、山陽電車、能勢電車、神戸電鉄では、回数券が廃止になり、手軽な電車代の節約手段がなくなってしまいました。
そこで、普段の電車代を少しでも安くしたいというあなたは、「ICOCAポイント還元サービス」をチェックしてみてください。
これは、1ヵ月間でICカードのICOCA(イコカ)で乗った利用回数に応じて、運賃の一部がポイントで還元されるというものです。
実際のところ、回数券ほどお得ではないですが、利用状況によっては、多少とも節約が期待できます。
定期券を買うほどでもないけど、だいたい決まった区間をちょくちょく利用しているという人に向いてます。
ここでは、阪急電車、阪神電車、山陽電車、能勢電車、神戸電鉄の「ICOCAポイント還元サービス」の内容や登録方法、使い方などをまとめました。
阪急・阪神・山陽・能勢・神鉄「ICOCAポイント還元サービス」とは?
阪急電車、阪神電車、山陽電車、能勢電車、神戸電鉄では、「ICOCAポイント還元サービス」を連携して実施しています。
内容やしくみは、同じです。
ICカードのICOCA(イコカ)で乗ると、1か月内の利用回数に応じて、ICOCAポイントがもらえます。
そして、貯まったICOCAポイントは、1ポイント=1円として、ICOCAが使える全国の電車・バスの利用や、お店での支払いに使えます。
このように、利用した運賃の一部がポイントのかたちで戻ってくるので、実質的には電車代の割引になります。
ただし、ICOCAで乗るだけでは、ポイントはつきません。条件があります。
PiTaPa(ピタパ)を持っていたら
あなたが、ICカードの「PiTaPa(ピタパ)」を持っているなら、ここで紹介している「ICOCAポイント還元サービス」を利用する必要はありません。
PiTaPaで、阪急電車、阪神電車、山陽電車、能勢電車、神戸電鉄に乗ると、以下で紹介しているICOCAと同じ条件で、同じ割引が、自動的に受けられます(利用回数割引)。
事前の利用登録など手続きは不要(PiTaPaで乗るだけ)。
また、割引金額は、毎月の請求の際に反映されます(割引後の金額で請求)。
阪急・阪神・山陽・能勢「ICOCAポイント」が付く条件は?
阪急電車、阪神電車、山陽電車、能勢電車、神戸電鉄の「ICOCAポイント還元サービス」で、ポイントをもらうには、以下のような条件があります。
- 事前に利用登録したICOCAを使うこと。
- 同じ運賃区間を、1ヶ月間(1日~末日)に11回以上乗車すること。
これらを全てクリアしてはじめて、
逆に、1回目から10回目までの乗車にはポイントは付きません。割引なしです。
【条件1】利用登録したICOCAを使う。
阪急電車、阪神電車、山陽電車、能勢電車、神戸電鉄の「ICOCAポイント還元サービス」は、文字通り、ICOCAを使って乗車することが大前提です。
PiTaPaやSuica、PASMOなど、他の交通ICカードは対象外です。
さらに、使うICOCAは、事前に利用登録していないといけません。
事前登録は、駅の券売機で行います。費用はかかりません(後述します)。
なお、利用登録するICOCAは、ICOCAの表示があってチャージできるものなら、発行会社や種類は問いません。
子供用ICOCA、スマートICOCA、Kips ICOCA、モバイルICOCAもOK。
定期券(ICOCA定期)として使っているものや、他社でポイントサービスに登録しているものでも大丈夫です。
ICOCAを持っていない場合は、阪急電車、阪神電車、山陽電車、能勢電車、神戸電鉄をはじめ関西の私鉄や地下鉄、JR西日本の駅の券売機や窓口ですぐに買えます。
値段は保証金(預り金)500円込みで1枚2,000円の場合が多いです。1,500円分は電車やバスの乗車などに使えます。
なお、保証金はICOCAを返却すると戻ってきます。
【条件2】同じ運賃の区間を月に11回以上乗車する。
阪急電車、阪神電車、山陽電車、能勢電車、神戸電鉄の「ICOCAポイント還元サービス」は、下図の範囲での利用が対象です。
- 阪急電車
- 阪神電車
- 神戸高速線
- 山陽電車
- 能勢電鉄
- 神戸電鉄
そして、「各社ごと」に、毎月1日から末日までの間に、同じ運賃区間を何回利用したかを数えます。
例えば、阪急電車の160円区間×○回、280円区間×○回、330円区間×○回、阪神電車の1280円区間×○回、420円区間×○回…といったふうにです。
そして、11回以上の利用があれば、11回目からの乗車分の合計運賃が、ポイント還元の対象になります。
11回以上と聞くと多く感じますが、往復利用なら、月に6日(6往復)以上です。
週に2回以上、決まった区間を行き来しているようなら、メリットがあります。
山陽電車では「鉄道-山陽バス乗り継ぎポイント」も
山陽電車ではICOCAで、同じ日に山陽電車と山陽バスを垂水駅、舞子公園駅で乗り継ぐと、片道1回ごとにICOCAポイントがもらえる「鉄道-山陽バス乗り継ぎポイント」も実施しています(下図)。
【例】三宮駅~垂水駅+山陽バスの場合(片道):山陽電車の利用が安くなります。
山陽電車+バス | 電車450円+バス230円=680円 ⇒230ポイント還元=実質450円 |
JR神戸線+バス | 電車320円+バス230円=550円 |
山陽バスでは、ICOCAは乗るときと降りるときの2回、必ず読み取り機にタッチしてください(1乗車で2回タッチ)。
※神戸市バスの便は対象外です。
※「鉄道-山陽バス乗り継ぎポイント」は、当初2024年3月31日で終了でしたが、延長されました(終了日未定)。
※詳しくは、山陽電車の公式サイトで確認ください(最下方にリンクがあります)。
阪急・阪神・山陽・能勢・神鉄「ICOCAポイント還元サービス」のポイント計算は?
繰り返しになりますが、「ICOCAポイント還元サービス」でもらえるポイントは、毎月末に、その月の1日から末日までの間に、各鉄道会社で乗車した運賃区間ごとに利用回数を集計して、決まります。
11回以上利用した運賃区間がポイントの対象です。
11回目からの運賃を合計して、その10%分のポイントが付きます。
なお、阪急電車と能勢電鉄では、31回目から15%に還元率がアップします。
この時、ポイントに端数(一の位)が出たら、切り捨てます。
集計期間:1日~末日
会社 | 利用回数カウント | 還元ポイント計算 |
阪急電車 |
・170円区間×○回 |
⇒11回以上利用した区間の11回目からの利用額合計×10%(31回目からは15%) |
阪神電車 |
・160円区間×○回 |
⇒11回以上利用した区間の11回目からの利用額合計×10% |
神戸高速線 | ・130円区間×○回 ・150円区間×○回 |
⇒11回以上利用した区間の11回目からの利用額合計×10% |
山陽電車 |
・170円区間×○回 |
⇒11回以上利用した区間の11回目からの利用額合計×10% (+鉄道・バス乗り継ぎポイント) |
能勢電車 | ・160円区間×○回 ・190円区間×○回 ・230円区間×○回 || ・330円区間×○回 |
⇒11回以上利用した区間の11回目からの利用額合計×10%(31回目からは15%) |
神戸電鉄 | ・190円区間×○回 ・250円区間×○回 ・310円区間×○回 || ・760円区間×○回 |
⇒11回以上利用した区間の11回目からの利用額合計×10% |
全社分のポイントを合計⇒翌月15日以降還元 |
最終的に、各社の運賃区間ごとのポイント還元額を合計して、翌月の15日に付与されます。
ここで、ポイント計算を具体例でみてみましょう。
【例1】
1か月間の利用 | ポイントサービス |
①【阪急】宝塚駅~大阪梅田駅(290円)×20回 |
|
②【阪急】宝塚駅~神戸三宮駅(290円)×4回 | |
③【阪急】宝塚駅~西宮北口駅(200円)×2回 |
|
もらえるポイントは、
対象区間 | 対象の運賃合計 | 還元ポイント |
阪急290円区間①② | 280円×14回分=4,060円 | 4,060円×10%=406⇒400ポイント(切捨) |
還元合計:400ポイント |
【例2】
1か月間の利用 | ポイントサービス |
①【阪神】西宮駅~大阪梅田駅(280円)×10回 |
|
②【阪神】西宮駅~元町駅(280円)×6回 | |
③【阪神】神戸三宮駅~甲子園駅(280円)×2回 | |
④【阪神】西宮駅~甲子園駅(160円)×4回 |
|
⑤【阪神】元町駅~春日野道駅(160円)×4回 | |
⑥【神戸高速】元町駅~高速長田駅(150円)×12回 |
|
⑦【阪神】西宮駅~大阪難波駅(370円)×2回 |
|
もらえるポイントは、
対象区間 | 対象の運賃合計 | 還元ポイント |
阪神280円区間①②③ | 280円×8回分=2,240円 | 2,240円×10%=224⇒220ポイント(切捨) |
神戸高速150円区間⑥ | 150円×2回分=300円 | 300円×10%=30ポイント |
還元合計:250ポイント |
【例3】
1か月間の利用 | ポイントサービス |
①【阪急】西宮北口駅~【山陽】明石駅(890円)×18回 |
|
②【阪急】西宮北口駅~神戸三宮駅(280円)×6回 | |
③【阪急】西宮北口駅~大阪梅田駅(280円)×6回 | |
④【阪急】西宮北口駅~河原町駅(480円)×2回 |
|
⑤【阪急】西宮北口駅~【能勢】妙見口駅(610円)×2回 |
|
もらえるポイントは、
対象区間 | 対象の運賃合計 | 還元ポイント |
阪急280円区間①②③⑤ | 280円×20回=5,600円 280円×2回=560円 |
5,600円×10%=560ポイント 560円×15%=84⇒80ポイント(切捨) |
神戸高速150円区間① | 150円×8回=1,200円 | 1,200円×10%=120ポイント |
山陽460円区間① | 460円×8回=3,680円 | 3,680円×10%=368⇒360ポイント(切捨) |
還元合計:1,120ポイント |
この例の、「①西宮北口駅~山陽明石駅」の区間は、「西宮北口駅~神戸三宮駅(阪急)」、「元町駅~西代駅(神戸高速線)」、「西代駅~明石駅(山陽電車)」の3社をまたいでいます。
「⑤西宮北口駅~妙見口駅」も、「西宮北口駅~川西能勢口駅(阪急280円)」と「川西能勢口駅~妙見口駅(能勢)」と2社をまたぎます。
これらのような場合、各社の運賃区間で、利用回数をカウントします。
阪急・阪神・山陽・能勢・神鉄「ICOCAポイント還元サービス」の登録方法は?(始め方)
「ICOCAポイント還元サービス」を受けるには、最初に使うICOCAを利用登録をします。
ICOCAポイントサービスの利用登録場所
利用登録は、駅の券売機(神鉄は精算機)で手続きします。
阪急電車 | 全駅の券売機(天神筋橋六丁目駅を除く) |
阪神電車 | 全駅の券売機 ※モバイルICOCA対応(登録・チャージ) |
神戸高速線 | 全駅の券売機 ※花隈駅以外はモバイルICOCA対応(登録・チャージ) |
山陽電車 | 全駅の券売機 |
能勢電車 | 川西能勢口駅の券売機 |
神戸電鉄 | 全駅の「のりこし精算機」 |
このなかのどこか1か所で利用登録すれば、阪急電車、阪神電車、山陽電車、能勢電車、神戸電鉄の「ICOCAポイント還元サービス」に一括登録されます。
※駅によっては、登録できる券売機(機種)が限られている場合があります。
ICOCAポイントサービスの登録手続き
「ICOCAポイント還元サービス」の利用登録に必要なものは、ICOCAだけです。
本人確認書類などは不要です。お金もかかりません。
手続きは、ICOCA単位で行います。
登録する項目は、次の3つだけです。
- 姓名(カタカナ)
- 生年月日(西暦/月/日)
- 電話番号
操作は、銀行のATMのような感じで、画面の表示にしたがって進めていきます。
操作そのものは簡単ですが、入力があるので5分程度はかかります。
このため、時間に余裕があるとき、乗客が少ない時間帯に、落ち着いてやる方がいいです。
※登録する電話番号の下4桁が、ポイントチャージ時に必要な「確認番号」となります。
※記名式のICOCAの場合は、券売機の機種によっては、自動入力されます。
ICOCAポイントサービスの登録タイミング
利用登録が完了すると、その月の1日の乗車分から「ICOCAポイント還元サービス」が適用されます。
例えば、9月10日や9月30日に登録すると、9月1日にさかのぼって利用回数をカウントしてくれます(もちろんICOCAで乗った分だけ)。
このため、利用登録はいつ手続きしてもOK。タイミングで損得はありません。
ICOCAポイントサービスの有効期限
「ICOCAポイント還元サービス」は、一度利用登録すると、このサービスが続く限り適用されます。期限はありません。
ただし、登録したICOCAで、1年間、ポイント対象になる利用がない場合は、自動的に登録解除されます。
※自動解除になっても、また券売機で利用登録すれば大丈夫です。
阪急・阪神・山陽・能勢・神鉄「ICOCAポイント還元サービス」の利用方法は?(ポイントの貯め方)
それでは、実際の「ICOCAポイント還元サービス」の利用の流れをみていきましょう。
ICOCAを改札機に確実にタッチ
「ICOCAポイント還元サービス」に登録しても、ICOCAで乗る以外、特別なことはありません。
ICOCAで乗れば、勝手に回数を集計して、ポイント計算してくれます。
ただ、ポイントをもらうには、利用回数のカウントが重要。
この乗り降り2回の改札タッチで、利用「1回」とカウントされます。
ちゃんとタッチできてないとカウントに入りません。
なお、次の場合は、「乗り降り改札2回タッチ」ではないので、利用回数にカウントされません。
- ICOCAで切符を買って、その切符で乗車した場合。
- 下車駅でICOCAを使って乗り越し精算した場合。
- 駅で乗り降りせず、通過しただけの場合(※)。
阪急電車、阪神電車、山陽電車、能勢電車・神戸電鉄を相互にまたいで利用する場合は、境界の駅で改札機にタッチする必要はありません。
また、「阪急~(天神橋筋六丁目駅)~大阪メトロ」「阪神~(大阪難波駅)~近鉄電車」と乗車する場合も、乗り通すだけで自動集計されます。
境界の駅で乗り降りする必要はありません
「阪急~大阪メトロ」「阪神~近鉄」を直通利用する場合は、大阪メトロや近鉄の「ICOCAポイントサービス」にも登録しておくと、近鉄側でもポイントが貯まります。
サービス内容は異なります。利用登録も大阪メトロ、近鉄の駅で手続きが必要です。
貯まったポイントを使うには?
その月にこつこつと貯めたICOCAポイントは、翌月の15日に付与されます(特に通知はありません)。
ただ、そのポイントは、そのままでは使えません。
ICOCAの残高に移し替える「ポイントチャージ」という手続きを、ポイント還元サービス対応の券売機(神鉄は精算機)で行います。
阪急電車、阪神電車、山陽電車、能勢電車の対応券売機、神戸電鉄の精算機なら、どこででも全社分のポイントを一括してチャージできます。
※券売機、精算機の画面デザインは各社で異なりますが、流れは基本的に同じです。
このとき、「確認番号」の入力を求められます。
「確認番号」とは、登録した電話番号の最後の4つの数字です。
例えば、090-1234-5678なら⇒「5678」
ポイントチャージは15日以降なら、いつでも可能ですが、付与された月を含む3カ月後の末日までやらないと、せっかく貯めたポイントは消滅してしまいます。
例えば、9月中の利用で貯まったポイントは、10月15日に付与されます。チャージの期限は12月31日になります。
ポイントチャージすると、1ポイント=1円でICOCAの残高に追加されて、すぐに電車やバスの乗車や買い物の支払いなどに使えます。
ちなみに、ICOCAにチャージしたあとの使用期限はありません。
阪急・阪神・山陽・能勢・神鉄「ICOCAポイント還元サービス」公式サイト
「ICOCAポイント還元サービス」の最新情報は、各社の公式サイトで確認ください。
コメント