関西の各地、大阪、京都、神戸、姫路、和歌山方面から奈良へ、交通費をなるべく安く抑えて日帰りしたいというあなたに、「奈良・斑鳩1dayチケット」という切符を紹介します。
これは、奈良までのアクセスと奈良市内と法隆寺などがある斑鳩(いかるが)地区の電車と路線バスが乗り放題できる1日乗車券です。
奈良と斑鳩をがっつり回れて、しかも交通費は節約できます。
ここでは、「奈良・斑鳩1dayチケット」の内容、値段、発売期間、購入方法をまとめました。【2020年版】
目次
「奈良・斑鳩1dayチケット」ってどんな切符?
「奈良・斑鳩1dayチケット」は、大阪、京都、兵庫、和歌山の各地から奈良までアクセスの電車と、奈良市や斑鳩町周辺の近鉄電車とバスの乗り放題がセットになった1日乗車券です。
日帰り用です。
「奈良・斑鳩1dayチケット」は、名前の通り、1日用、日帰り用の切符です。
泊りがけには向きません。
関西の広い地域から利用できます!
「奈良・斑鳩1dayチケット」は、大阪、京都、神戸、姫路、和歌山など関西の広い地域から利用できます。
下記の路線で発売されていて、奈良へは途中、近鉄電車に乗り換えて向かいます(帰りはその逆)。
- 阪急電車
- 阪神電車
- 神戸高速
- 大阪地下鉄(メトロ)・シティバス
- 南海電車・泉北高速
- 京都市営地下鉄
- 京阪電車(京阪線)
- 北大阪急行
- 大阪モノレール
- 神戸市営地下鉄
- 神戸電鉄
- 能勢電鉄
- 山陽電車
奈良市内・斑鳩地区の近鉄とバスが乗り放題!
「奈良・斑鳩1dayチケット」では、下記の区間で近鉄電車と奈良交通の路線バスが1日乗り放題(乗り降り自由)できます。
奈良では、奈良公園や西の京、大和郡山、斑鳩、生駒にまたがる広い範囲をカバーしています。
- 近鉄電車の大阪難波駅~近鉄奈良駅、京都駅~筒井駅、長田駅~生駒駅
- 生駒ケーブルの全線(鳥居前駅~生駒山上駅)
- 奈良交通バスの奈良公園地区・西の京地区・斑鳩(法隆寺)地区の路線
図を見てわかるように、近鉄電車は奈良だけではなく大阪難波駅や京都駅までが乗り放題です。
完全な往復でなくても、奈良に行ったついでに京都や大阪へ向かうという使い方もできます。
奈良への往き帰りも乗り放題!
「奈良・斑鳩1dayチケット」は、大阪、京都、神戸、姫路、和歌山方面から利用する電車(私鉄や地下鉄)も1日乗り放題です(その範囲は後述)。
つまり、乗車した駅から奈良までの行き帰り、そして奈良に着いてからと全てが乗り放題ということになります。
時間があれば、それぞれの「奈良・斑鳩1dayチケット」の範囲で、奈良以外にもいろんなところへ行けます。
拝観料などの割引特典つき!
「奈良・斑鳩1dayチケット」には特典として、提携の神社やお寺、観光施設、土産物店、飲食店、レンタサイクル店など28か所で料金の割引が受けられる優待券がついています。
【優待が受けられる主な場所】
- 春日大社(国宝殿・萬葉植物園)
- 興福寺
- 元興寺
- 唐招提寺
- 薬師寺
- 法華寺
- 中宮寺
- 奈良国立博物館
- 志賀直哉旧居
- ナコーレンタサイクル
- 柿の葉ずし平宗
- 生駒山上遊園地 など(順不同)
「奈良・斑鳩1dayチケット」の値段は?(2020年版)
「奈良・斑鳩1dayチケット」の種類・値段・有効区間
「奈良・斑鳩1dayチケット」の路線ごとの種類と、それぞれの値段、有効区間は以下の通りです。
どの種類も大人用のみの発売で、子供用はありません。
種類 | 値段 | 有効区間(1日乗り放題) |
阪急電車版 ※大阪地下鉄経由 |
2,100円 |
|
阪神電車版 ※大阪難波駅経由 |
1,900円 |
|
神戸高速版 ※阪神電車・難波駅経由 |
2,100円 |
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大阪メトロ版 ※難波駅などを経由 |
1,700円 |
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南海・泉北版 ※難波駅経由 |
2,100円 |
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京都市営地下鉄版 ※京都駅、竹田駅経由 |
1,700円 |
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京阪電車版 ※丹波橋駅経由 |
1,800円 |
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北大阪急行版 ※大阪地下鉄経由 |
1,870円 |
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大阪モノレール版 ※千里中央、大阪地下鉄経由 |
2,430円 |
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神戸市営地下鉄版 ※阪神三宮、難波駅経由 |
2,500円 |
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神戸電鉄版 ※新開地、難波駅経由 |
2,700円 |
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能勢電鉄版 ※阪急、大阪地下鉄経由 |
2,400円 |
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山陽明石以東版 ※阪神・難波駅経由 |
2,600円 |
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山陽全線版 ※阪神・難波駅経由 |
2,900円 |
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「奈良・斑鳩1dayチケット」はお得?
「奈良・斑鳩1dayチケット」が実際にはどのくらいお得なのかをみてみましょう。
出発地よっては往復の運賃よりも安くつく
近鉄電車で、例えば大阪難波駅から奈良駅まで普通に往復した場合の運賃は1,140円(片道570円)、京都駅からだと1,280円(片道640円)かかります。
これに奈良でのバス代として、奈良交通バスの「奈良公園・西の京・法隆寺 世界遺産1-Day Pass Wide」という乗り放題の1日乗車券(1,000円)を買うとすると、これだけで「奈良・斑鳩1dayチケット」の値段と同じくらいになります。
※奈良交通バスの「奈良公園・西の京・法隆寺 世界遺産1-Day Pass Wide」は「奈良・斑鳩1dayチケット」のバス乗り放題と同じ内容です。
主な駅からの運賃と比べてみました。電車は「近鉄奈良駅」までの往復としています。
発着駅 | 電車往復 | バス1日券 | 通常合計 | 奈良・斑鳩1dayチケット | |
宝塚 | 2,160円 | 1,000円 | 3,160円 | 2,100円 | 34%割引 |
神戸三宮 | 1,960円 | 1,000円 | 2,960円 | 1,900円 | 36%割引 |
梅田 | 1,600円 | 1,000円 | 2,600円 | 1,700円 | 35%割引 |
和歌山市 | 3,000円 | 1,000円 | 4,000円 | 2,100円 | 48%割引 |
京都国際会館 | 1,940円 | 1,000円 | 2,940円 | 1,700円 | 42%割引 |
枚方市 | 1,820円 | 1,000円 | 2,820円 | 1,800円 | 36%割引 |
千里中央 | 1,980円 | 1,000円 | 2,980円 | 1,870円 | 37%割引 |
万博記念公園 | 2,480円 | 1,000円 | 3,480円 | 2,430円 | 30%割引 |
西神中央 | 2,780円 | 1,000円 | 3,780円 | 2,500円 | 34%割引 |
鈴蘭台 | 2,920円 | 1,000円 | 3,920円 | 2,700円 | 31%割引 |
日生中央 | 2,780円 | 1,000円 | 3,740円 | 2,400円 | 36%割引 |
明石 | 3,160円 | 1,000円 | 4,160円 | 2,600円 | 38%割引 |
姫路 | 3,920円 | 1,000円 | 4,920円 | 2,900円 | 41%割引 |
これらの駅からは3割以上とかなりお得です。しかも近鉄奈良駅までの往復の電車代よりも「奈良・斑鳩1dayチケット」の値段の方が安いです。行って帰るだけでも得。
「奈良・斑鳩1dayチケット」は、先に触れたように、実際には奈良や斑鳩地区で、近鉄と路線バスが乗り放題できますので、コスパが非常にり良いです。
※奈良駅まで近鉄を利用した場合の普通運賃の例(片道)
大阪難波駅~奈良駅(近鉄) | 570円 |
京都駅~奈良駅(近鉄) | 640円 |
梅田駅~難波駅~奈良駅(地下鉄+近鉄) | 800円 |
神戸三宮駅~難波駅~奈良駅(阪神+近鉄) | 980円 |
宝塚駅~梅田駅~難波駅~奈良駅(阪急+地下鉄+近鉄) | 1,080円 |
和歌山市駅~難波駅~奈良駅(南海+近鉄) | 1,500円 |
枚方市駅~丹波橋駅~奈良駅(京阪+近鉄) | 910円 |
姫路駅~神戸三宮駅~難波駅~奈良駅(山陽+阪神+近鉄) | 1,960円 |
※奈良での近鉄の普通運賃の例(片道)
初乗り運賃 | 160円 |
奈良駅~西ノ京駅 | 260円 |
奈良駅~筒井駅 | 300円 |
西ノ京駅~筒井駅 | 210円 |
鳥居前駅~生駒山上駅(生駒ケーブル) | 370円 |
※奈良でのバスの普通運賃の例(片道)
近鉄/JR奈良駅~東大寺・春日大社 | 220円 |
近鉄/JR奈良駅~薬師寺/唐招提寺 | 270円 |
近鉄筒井駅~法隆寺 | 310円 |
【参考】奈良で買えるバスの乗り放題切符
ちなみに、「奈良・斑鳩1dayチケット」はJRで奈良へ行くよりも安いです。
※奈良駅までJRを利用した場合の普通運賃の例(片道)
JR難波駅~奈良駅 | 570円 |
JR京都駅~奈良駅 | 720円 |
JR大阪駅~奈良駅 | 810円 |
JR三ノ宮駅~奈良駅 | 1,270円 |
JR宝塚駅~奈良駅 | 1,340円 |
JR和歌山駅~奈良駅 | 1,610円 |
近鉄の駅で「奈良世界遺産フリーきっぷ」を買うよりお得!
近鉄では、近鉄の大阪・京都駅発着の奈良向け周遊きっぷ「奈良世界遺産フリーきっぷ(奈良・斑鳩コース1日券)」という切符を発売しています。
これは、内容的に「奈良・斑鳩1dayチケット」の「近鉄版」といえるものですが、「奈良・斑鳩1dayチケット」の方がお得です。
奈良世界遺産フリーきっぷ (奈良・斑鳩コース1日券) |
大人1,530円、子供770円 大阪難波駅~鶴橋駅・京都駅発着 |
このフリーきっぷの料金と「奈良・斑鳩1dayチケット」の差額が、あなたの乗車駅(出発駅)から、近鉄の難波駅や京都駅までの電車代(往復)と見なすことができます。
奈良・斑鳩1dayチケット | 世界遺産フリー切符 | 差額 | |
阪神電車版 | 1,900円 | 1,530円 | 370円 |
大阪メトロ版 | 1,700円 | 1,530円 | 170円 |
南海・泉北版 | 2,100円 | 1,530円 | 570円 |
たとえば、大阪メトロ版では差額が170円です。これで、地下鉄とシティバスが1日乗り放題できることになります。地下鉄やバスは1駅でも乗ると片道180円かかりますので、これは破格です。
南海・泉北版でしたら差額が570円ですので、難波駅まで片道290円以上の駅からは「奈良・斑鳩1dayチケット」の方が安くなります。
このように、日帰りで奈良に行くとき、大阪や京都の近鉄駅まで行って「奈良世界遺産フリーきっぷ 奈良・斑鳩コース」を買うのでしたら、地元の駅や大阪地下鉄の駅で「奈良・斑鳩1dayチケット」を買った方がお得です。
「奈良世界遺産フリーきっぷ 奈良・斑鳩コース」には2日用もあります。奈良へ泊りがけでいくときはお得です。
「奈良・斑鳩1dayチケット」の発売期間と有効期間は?(2020年版)
発売期間(買える期間)
2020年(令和2年)4月1日~2021年(令和3年)3月31日
有効期間(使える期間)
2020年(令和2年)4月1日から2021年(令和3年)4月30日のうちの好きな1日間
※利用当日は始発便から終電便まで乗り放題できます。
「奈良・斑鳩1dayチケット」はどこで買える?(購入方法)
「奈良・斑鳩1dayチケット」は発売期間中、各鉄道会社の駅などで購入できます。
出かける当日にもちろん買えますし、事前に買っておくことも可能です。事前購入したときは有効期限に注意してください。
阪急電車版 |
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阪神電車版 |
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神戸高速版 |
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大阪メトロ版 |
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南海・泉北版 |
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京都市営地下鉄版 |
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京阪電車版 |
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北大阪急行版 |
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大阪モノレール版 |
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神戸市営地下鉄版 |
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神戸電鉄版 |
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能勢電鉄版 |
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山陽明石以東版 |
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山陽全線版 |
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「奈良・斑鳩1dayチケット」公式サイト
「奈良・斑鳩1dayチケット」の発売や最新情報については、近鉄の公式サイトで確認ください。
「奈良・斑鳩1dayチケット」は、大阪、京都、神戸、姫路、和歌山方面から奈良への日帰り観光に最安値級で、行き帰りをふくめて乗り放題でがっつり使えるコスパが良い切符です。交通費が浮いた分は、奈良での観光や食事、お土産に使いましょう。
先述のとおり、奈良への往復するだけよりも安い場合がありますので、奈良へ行くときはチェックしてみてください。