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この記事の内容
- 全国のJRの「秋の乗り放題パス」を紹介します(内容、値段、発売期間、購入方法、使い方)。
秋の遠出や小旅行を考え中だけど、交通費はできるだけ安く抑えたいというあなた、JRの「秋の乗り放題パス」という切符は、チェックしておきましょう。
これは、文字通り、北海道から九州まで全国のJR(普通列車)が乗り降り自由(乗り放題)できる格安の切符です。子供用もあります。
ここでは、「秋の乗り放題パス」の内容、値段、発売期間、購入方法を、鉄道にそれほど詳しくない人にも分かりやすいように、紹介していきます。【2020年版】

「秋の乗り放題パス」(2020年版)の発売は終了しました(10月23日)。
【参考】発売中のJR乗り放題切符(関西版)
目次
JR「秋の乗り放題パス」ってどんな切符?
「秋の乗り放題パス」は、毎年「鉄道の日」(毎年10月14日)に合わせて期間限定で発売されます。
ちなみに、鉄道の日は、1872年(明治5年)に新橋・横浜間に日本で初めての鉄道が開通した日にちなんでいます。
「秋の乗り放題パス」は、北海道から九州まで、下記の列車などが連続した3日間、乗り放題(乗り降り自由)で利用できます。
3日間使えますが、連続していないといけません。このため、「秋の乗り放題パス」は、泊りがけの旅行向きです。
今年は特に宿泊代は「GO TOトラベルキャンペーン」の対象なので、安く旅行できるチャンスです。
そして、「秋の乗り放題パス」では、次の列車、交通機関が利用できます。
- JR全線の普通列車(快速、新快速を含む)
- JR西日本の宮島フェリー(広島の宮島口港~宮島港)
- JR東日本のBRT全線(東北の大船渡線、気仙沼線のバスによる震災復旧路線)
「普通列車」というのは、乗車券(普通の切符、回数券、定期券)だけで、特急券などを追加で買う必要なく乗れる列車のことです。
各駅停車(普通)のほか、快速、区間快速、特別快速、新快速など快速電車も「普通列車」です。
「秋の乗り放題パス」では、全国で、JRの普通列車を利用できます。これが大原則です。が、一部、例外があります。
「秋の乗り放題パス」で利用できない列車は?
「秋の乗り放題パス」での列車利用については、次の3つのパターンがあります。
- 「秋の乗り放題パス」だけで乗れる。
- 「秋の乗り放題パス」に、料金を追加すると乗れる。
- 「秋の乗り放題パス」では、絶対乗れない。
それぞれを上から「○」「△」「×」として、表にまとめました。
列車の種類 | 利用の可否 | 例外など |
新幹線 | × | 北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅~木古内駅のみ「オプション券」を購入すると利用できます。 |
特急・急行 | × | ごく一部、自由席が利用できる区間があります(青森駅~新青森駅、新得駅~新夕張駅、宮崎駅~宮崎空港駅、早岐駅~佐世保駅) |
普通列車の自由席 | ○ | 快速、新快速も利用できます。 |
普通列車の指定席 | △ | 指定席券を別に購入すると利用できます。 |
普通列車(グリーン自由席) | △ | グリーン券を別に購入すると利用できます。 |
普通列車(グリーン指定席) | × | |
普通列車(座席定員制) | △ | 乗車整理券を別に購入すると利用できます。 |
新快速のAシート | △ | 乗車後に整理券を購入すると利用できます。 |
他社の路線 | × | 一部、通過に限って利用できる区間があります(金沢駅~津幡駅、富山駅~高岡駅)。 |
JR西日本の宮島フェリー | ○ | |
JR東日本のBRT(バス) | ○ |
新幹線や特急には乗れません。
「秋の乗り放題パス」で、新幹線、特急電車は利用できません。
JRの新幹線や特急に乗るには、乗車券のほかに特急券を買う必要があります。「秋の乗り放題パス」の場合は、特急券を買っても乗れません。
もし、新幹線や特急を利用したいときは、特急券とあわせて乗車券も買わないといけません。
ただし、普通列車の本数が極端に少ないために、例外的に「秋の乗り放題パス」だけで、特急列車(自由席)に乗れる区間が一部あります。
「秋の乗り放題パス」で特急の自由席が利用できる区間
- 新青森駅~青森駅の間(青森県)
- 新得駅~新夕張駅の間(北海道)
- 宮崎駅~宮崎空港駅の間(宮崎県)
- 早岐駅~佐世保駅の間(長崎県)
本州と北海道との間は、新幹線しかありません。このため、「秋の乗り放題パス」では移動できません。
そこで、「北海道新幹線オプション券」という切符が発売されています。これを追加で購入すると、新幹線が利用できます(奥津軽いまべつ駅~木古内駅)。
普通列車の「指定席」は利用できます。
路線によっては、臨時列車に多いですが、指定席の普通列車(全車/一部)が走っていることがあります。
普通列車なので、「秋の乗り放題パス」で乗れますが、指定券を追加で購入する必要があります。
あと、指定席ではありませんが、座席定員制(自由席だけど座席数分の人数しか乗れない)の普通列車(よく「ホームライナー」と呼ばれます)が走っている路線があります。
この場合も「秋の乗り放題パス」で乗れますが、「乗車整理券」を別に買わないといけません。
グリーン車は利用できる場合とできない場合が。
首都圏などでは、グリーン車が連結された普通列車が走ってる路線があります。
そのグリーン車には、実は2つの種類あります。
- 自由席のグリーン車(首都圏の東海道線、横須賀線、宇都宮線、高崎線、常磐線など)
- 指定席のグリーン車(岡山~高松の快速マリンライナーなど)
このうち「自由席」のグリーン車には、「秋の乗り放題パス」にグリーン料金をプラスすると乗ることができます。
「指定席」の方は、普通列車であるにもかかわらず、追加料金を払っても「秋の乗り放題パス」では乗れません。
他社は利用できません。
「秋の乗り放題パス」はJRが乗り放題ですので、JR以外の鉄道路線では利用できません。他社を利用する際は、通常の運賃が別に必要です。
他社といっても、JRと駅舎や改札口が共通だったり、JRの車両がそのまま他社に直通したりしていて、地元の人以外には、分かりづらいところがあります。
JRに乗ってるつもりが、知らないうちに他社だったということもありえます。
このときは、他社分の運賃がかかってきて、想定外の出費になりますので、ルートを考えるときは注意が必要です。
関西周辺の注意したい「他社」の例
- 智頭急行(上郡駅~智頭駅)
- 京都丹後鉄道(豊岡駅~西舞鶴駅、福知山駅~宮津駅)
- 若桜鉄道【鳥取県】(郡家駅~若桜駅)
- 井原鉄道【岡山・広島県】(清音駅~神辺駅)
- 伊勢鉄道(河原田駅〜津駅)※JR快速「みえ」は途中経由するので注意
- あいの風とやま鉄道&IRいしかわ鉄道(富山駅~金沢駅)
- 南海電車(りんくうタウン駅~関西空港駅 ※JRはOK)
特に注意しないといけない他社は、東北新幹線、北陸新幹線、九州新幹線の開業にあわせて、JRから切り離された並行路線です(下表)。
区間(地域、旧JR路線) | 「他社」 |
木古内駅~五稜郭駅(北海道、江差線) | 道南いさりび鉄道 |
青森駅~目時駅(青森県、東北線) | 青い森鉄道 |
盛岡駅~目時駅(岩手県、東北線) | IGRいわて銀河鉄道 |
軽井沢駅~篠ノ井駅(長野県、信越線) | しなの鉄道 |
長野駅~妙高高原駅(長野県、信越線) | しなの鉄道 |
妙高高原駅~直江津駅(新潟県、信越線) | えちごトキめき鉄道 |
直江津駅~市振駅(新潟県、北陸線) | えちごトキめき鉄道 |
市振駅~倶利伽羅駅(富山県、北陸線) | あいの風とやま鉄道 |
倶利伽羅駅~金沢駅(石川県、北陸線) | IRいしかわ鉄道 |
八代駅~川内駅(熊本・鹿児島県、鹿児島線) | 肥薩おれんじ鉄道 |
このように、盛岡~青森とか、長野~富山~金沢など、移動には便利な幹線ルートが、「秋の乗り放題パス」が使えない「他社」になっています。
なお、他社の路線でも、特例で「秋の乗り放題パス」で利用できる区間もあります。ただし通過するだけ、途中下車できないいという条件付きです。
通過だけできる他社の区間(途中下車すると運賃が必要)
- あいの風とやま鉄道(高岡駅~富山駅の間、高岡駅と富山駅では途中下車OK)
- IRいしかわ鉄道(金沢駅~津幡駅の間、金沢駅と津幡駅では途中下車OK)
- 青い森鉄道(青森駅~八戸駅の間、青森駅~野辺地駅の間、八戸駅~野辺地駅の間、青森駅・八戸駅・野辺地駅では途中下車OK)
「秋の乗り放題パス」の発売期間と有効期間は?(2020年版)
「秋の乗り放題パス」は発売期間と有効期間が異なっています。
発売期間(買える期間)
「秋の乗り放題パス」は期間限定で発売されます。発売期間は下記の通りです。
【2020年版】
2020年(令和2年)9月12日~10月23日
※「北海道新幹線オプション券」の発売は、9月12日~10月25日まで。購入には「秋の乗り放題パス」が必要です。単独では買えません。
有効期間(使える期間)
「秋の乗り放題パス」は、、10月14日の「鉄道の日」を含んだ下記の期間内の連続した3日間使えます。「北海道新幹線オプション券」も同じ期間です。
2020年版は、例年よりも期間が長くなりました。
2020年(令和2年)10月3日~10月25日のうち連続する3日間
※有効の3日間は、それぞれ0時から24時を過ぎた最初の停車駅まで乗り放題できます。なお、東京と大阪の「電車特定区間」内では終電まで有効です。
「秋の乗り放題パス」の値段は?
「秋の乗り放題パス」の値段はこのようになっています。子供用もあります。
大人 | 7,850円 |
子供 | 3,920円 |
この値段は3日分なので、1日あたりにすると大人は2,616円、子供は1,306円です。この金額で日本中乗り放題です。
泊りがけの旅行のほか、3日連続の日帰り利用も可能です。仕事で毎日少し離れた場所へ出向くときや、何か所か回るときなどに、うまく活用すれば経費節減が期待できますよ。
ちなみに、「青春18きっぷ」は1日あたり2,410円なので、少し高い設定になっています。
※「北海道新幹線オプション券」(片道1回)は、大人2,490円、子供1,240円です。
「秋の乗り放題パス」はどこで買える?(購入方法)
「秋の乗り放題パス」は発売期間中に下記の場所で直接購入できます。
- 全国JR駅の「みどりの窓口」
- 主な旅行会社の支店、営業所
早朝や深夜に出発したいときは、発売窓口が営業していない場合がありますので、購入は出かける当日ではなく、前もって買っておくことをおすすめします。
※旅行会社で買うと取扱手数料を取られることがあります。購入の前に確認ください。
「秋の乗り放題パス」の買い方&使い方【補足】
買うときに利用開始日を指定します。
「秋の乗り放題パス」は、買うときに利用を開始する日を指定しないといけません。つまり、購入までに、あらかじめ旅行の日程を決めておく必要があります。
このため、「秋の乗り放題パス」は「青春18きっぷ」のように、買ってから気が向いたときに出かけるという使い方はできません。
「秋の乗り放題パス」は利用開始日から、連続した3日間有効です。くどいですが、好きな3日を選べるわけではありません。
※切符に利用開始の日付が入るため、金券ショップなどへの転売が難しいです。。
※買った後で使わなくなった場合、未使用で使用開始日まででしたら購入した場所で払い戻しできます(手数料220円がかかります)。
使えるのは1人だけ。
「秋の乗り放題パス」は、切符そのものは1枚もので、使用する本人しか使えません。
例えば、1枚を友達3人とシェアして1日一緒に出かけるような使い方はできません。
使い方は、駅に出入りする際、普通に自動改札機に通します。改札機がない駅では駅員に、無人駅の場合は、乗務員に提示します。
「秋の乗り放題パス」公式サイト
「秋の乗り放題パス」の最新情報についてはJR西日本などJR各社の公式サイトで確認ください。
【参考】旅先の宿泊は「GO TOキャンペーン」で
「秋の乗り放題パス」は、泊りがけの旅行に向いています。
旅先での宿泊は、国の「GO TOトラベルキャンペーン」の対象です。宿泊代金の35%が補助されます。旅行費用の節約に上手く活用しましょう。
