
こんな疑問にお答えします。
この記事の内容
- JRの「大阪の電車特定区間」とは、どこを指して、どういう意味があるのかを、分かりやすく解説します。
JRのパンフレットやインターネットサイトなどの案内文は、ごく普通の人間には、正直分かりにくいものが多いです。
その原因の一つが用語。専門的なものでも、普通に使っています。
ここでは、そんな用語のなかで、切符の説明などで比較的よく目にする用語のひとつ、「電車特定区間」についてまとめました。

JR「大阪の電車特定区間」ってどこ?(範囲)
JRの「電車特定区間」は、全国で2か所、東京と大阪だけにあります。それぞれの地区で、特に利用客が多い区間を特定して決められています。
大阪の「電車特定区間」は、下図の通り。大阪駅を中心とした区間で、京都、奈良、和歌山、兵庫にまたがる広い範囲です。
大阪の電車特定区間
- JR京都線・神戸線(京都駅~大阪駅~西明石駅)
- JR東西線・学研都市線(尼崎駅~北新地駅~京橋駅~長尾駅)
- 大阪環状線
- ゆめ咲き線
- 大和路線(JR難波駅~今宮駅~天王寺駅~奈良駅)
- 阪和線・羽衣線
- おおさか東線
ちなみに、東京の「電車特定区間」はこちら。東京の範囲はさらに広いです。
JR「電車特定区間」って何?
この「電車特定区間」とは、いったい何なのか?特定されていないところと何が違うのか?ということですが、次の2つの点になります。
- 他の区間より、運賃の設定が割安になっています。
- 乗り放題切符は終電まで利用できます。
「電車特定区間」の中は運賃が割安です。
「電車特定区間」の最大の特長は、他の区間によりも運賃が安く設定されていることです。
大阪の場合は、「電車特定区間」のなかの大阪環状線(ゆめ咲き線・JR難波~今宮を含む)は、さらに割安な設定になっています。
あなたがJRに乗った時、同じJRなのに初乗りの運賃が違うなとか、距離の割に運賃が高い(安い)なとか、ある駅を超えたら運賃が急に高く(安く)なったかとか、感じた経験があるかもしれません。
それは、この「電車特定区間」が関係している可能性があります。
「電車特定区間」を設定した理由は、主に私鉄に対抗するためだと言われています。実際、大阪の「電車特定区間」をみると、多くの区間で私鉄と競合しています。競合区間を「特定」したという方が正確かもしれません。
具体的に、大阪の「電車特定区間」の運賃はこのようになっています。
大阪の「電車特定区間」の運賃
距離(営業キロ) | 正規(幹線) | 電車特定区間内 | 大阪環状線内 |
1~3キロ | 150円 | 130円 | 130円 |
4~6キロ | 190円 | 160円 | 160円 |
7~10キロ | 200円 | 180円 | 180円 |
11~15キロ | 240円 | 220円 | 200円 |
16~20キロ | 330円 | 310円 | 260円 |
26~30キロ | 510円 | 470円 | ー |
36~40キロ | 680円 | 650円 | ー |
46~50キロ | 860円 | 810円 | ー |
91~100キロ | 1,690円 | 1,610円 | ー |
「電車特定区間」の運賃は、あくまで、その範囲内での利用に限って適用されます。例えば、京都駅~大阪駅、天王寺駅~和歌山駅、大阪駅~西九条駅など。
「電車特定区間」の内と外をまたぐ場合は、正規の運賃が乗車駅から下車駅まで通しで適用になります。「電車特定区間」の割安運賃は関係ありません。
このため、切符を買うときに下車駅まで通しで買うよりも、途中の駅で区間を分割して買った方が安くなるという現象がよく起きます(「電車特定区間」だけが理由ではないですが)。
電車代や交通費を節約したい、特に定期券を買うときは、「電車特定区間」をまたぐかどうかを目安にして、切符の区間分割を検討してみることをおすすめします。
【参考記事】定期券の区間分割などについては【お得な定期券の買い方】
乗り放題切符は終電まで利用できます。
「電車特定区間」は運賃の設定のほかに、「青春18きっぷ」や「関西1デイパス」といったJRの乗り放題切符の有効期間の取り扱いが、他の区間とは違います。
具体的には、「1日乗り放題」で、その日のいつまで乗れるか、という点です。これらの切符の案内文や注意書きには、有効期間について、このようなに書かれています。
ご乗車された列車が翌日にまたがって運転される場合は、0時を過ぎて最初に停車する駅まで有効です。(ただし、電車特定区間では最終列車まで有効です)
通常は、日付通りが基本です。切符の利用日が4月1日なら、4月1日の23:59まで乗り放題できます。
でも、夜遅い時間帯で、電車に乗ってる最中に日付が4月2日に変わったときは、最初の停車駅までが有効です。もし、その先へも乗り続けるなら、その駅から下車駅までの運賃が別に必要になります。
これが「電車特定区間」の範囲内だと、4月1日付けの終電まで乗り放題できます。
4月1日の便なら乗車中に日付が変わっても、終点まで乗れますし、日付が変わったあと、4月2日0:15発の電車も利用OK。終着駅まで乗れます。
このように「電車特定区間」では、乗り放題切符の有効期間が、他の区間よりも長めに優遇されています。
「青春18きっぷ」や「関西1デイパス」といった乗り放題切符は、日常的に使うものではないですが、大阪や東京で使うことがあったら、目的地が「電車特定区間」かどうか確認しておくといいです。
ちなみに、私鉄や地下鉄の乗り放題切符は、利用日の終電まで有効です。
JR「電車特定区間」公式サイト
JRの東京、大阪で設定されている「電車特定区間」について詳細や最新情報は、JRの公式サイトで確認ください。

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