こんなお悩みを解決します。
この記事の内容
- 定期券の割引率はどれくらい?
- 定期券は何日で元が取れる?
通勤や通学などにかかる交通費を節約する方法というと、真っ先に思い浮かぶのが「定期券」だと思います。
定期券は一番お得だと”アホの一つ覚え”みたいに思ってません?
確かに普通の切符に比べると割安ですが、あなたにとってホンマに得なのか、あるいは損なのかは別問題。要は使い方次第だからです。
そこで、知っているようで知らない!?定期券が普通の切符よりどれくらい安いのか?その割引率についてまとめました。
初めて定期券を買うあなたもご参考に。
定期券はどれくらい安い?割引率は?
定期券は、普通の切符を毎回買うのと比べて、どのくらい割引になっているでしょうか。
このことについては、一口で回答できません。
実は、鉄道会社によって、みごとにバラバラなんです。しかも、同じ鉄道会社のなかでも、区間やその距離によってバラツキがあります。
関西各社の主な線区で調べたところ、大まかにはこんな傾向がみられました。
- JRは割引率が全体的に私鉄に比べて高いです。
- 会社の規模と割引率は関係ないです。大手の会社が必ずしも高いとは限りません。
- 私鉄の割引率は、距離による差が大きいです。利用客が多い?区間は低めにしてる印象です。
- 地下鉄の割引率は低めです。
参考のために、「通勤」定期券の距離で区切った割引率の一例を挙げました。
ちなみに、「距離」は鉄道会社が運賃設定のために決めた営業用のものです(営業キロ程)。実測のものではありません。
※この記事の「割引率」は、「定期代」を「普通運賃の往復×日数」で割って算出したものです。1ヶ月の日数は30日、3ヶ月は90日、6ヶ月は180日としています。
【例1】JR西日本の通勤定期券割引率(大阪電車特定区間)
距離(普通運賃) | 1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 |
1キロ(140円) | 49.2% | 51.7% | 59.4% |
25キロ(400円) | 50.5% | 53.0% | 60.4% |
50キロ(810円) | 52.8% | 55.2% | 59.8% |
75キロ(1,270円) | 55.9% | 58.1% | 60.2% |
100キロ(1,610円) | 53.5% | 55.8% | 60.1% |
【例2】阪急電車の通勤定期券割引率
距離(普通運賃) | 1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 |
1キロ(160円) | 56.7% | 58.8% | 61.0% |
24キロ(280円) | 31.3% | 34.7% | 38.2% |
33キロ(320円) | 31.9% | 35.3% | 38.7% |
48キロ(400円) | 34.2% | 37.5% | 40.8% |
76キロ(630円) | 48.4% | 50.9% | 53.5% |
【例3】近鉄電車の通勤定期券割引率
距離(普通運賃) | 1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 |
1キロ(160円) | 52.2% | 54.5% | 57.0% |
25キロ(450円) | 36.0% | 39.2% | 42.4% |
50キロ(770円) | 52.4% | 54.8% | 57.2% |
75キロ(1,090円) | 63.4% | 65.3% | 67.1% |
100キロ(1,410円) | 69.5% | 71.0% | 72.6% |
【例4】大阪地下鉄(メトロ)の通勤定期券割引率
区間(普通運賃) | 1ヶ月 | 3カ月 | 6ヶ月 |
1区(180円) | 30.1% | 33.6% | 37.1% |
2区(230円) | 34.1% | 37.3% | 40.7% |
3区(280円) | 36.6% | 39.8% | 42.9% |
4区(330円) | 42.2% | 45.1% | 48.0% |
5区(380円) | 45.7% | 48.4% | 51.1% |
このように、通勤定期券の割引率は30~50%が中心。例に挙げた鉄道会社以外でも同じ傾向です。
ちなみに、通学定期券の割引率は出血レベル。60%~80%が中心です。なかには90%前後も安くなっている区間もあります。
【例1】JR西日本の通学定期券(大学生)割引率(大阪電車特定区間)
距離(普通運賃) | 1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 |
1キロ(140円) | 70.5% | 71.8% | 73.3% |
25キロ(400円) | 67.4% | 68.9% | 70.6% |
50キロ(810円) | 76.6% | 77.8% | 78.9% |
75キロ(1,270円) | 77.9% | 79.0% | 80.1% |
100キロ(1,610円) | 76.8% | 77.9% | 79.1% |
【例2】阪急電車の通学定期券割引率
距離(普通運賃) | 1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 |
1キロ(160円) | 85.5% | 86.2% | 87.0% |
24キロ(280円) | 75.4% | 76.6% | 77.9% |
33キロ(320円) | 76.1% | 77.3% | 78.5% |
48キロ(400円) | 78.0% | 79.1% | 80.2% |
76キロ(630円) | 84.0% | 84.8% | 85.6% |
【例3】近鉄電車の通学定期券割引率
距離(普通運賃) | 1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 |
1キロ(160円) | 82.3% | 83.2% | 84.1% |
25キロ(450円) | 81.1% | 82.0% | 83.0% |
50キロ(770円) | 88.1% | 88.6% | 89.2% |
75キロ(1,090円) | 90.8% | 91.3% | 91.7% |
100キロ(1,410円) | 92.3% | 92.7% | 93.1% |
【例4】大阪地下鉄(メトロ)の通学定期券(大学生)割引率
区間(普通運賃) | 1ヶ月 | 3カ月 | 6ヶ月 |
1区(180円) | 68.2% | 69.8% | 71.4% |
2区(230円) | 69.6% | 71.1% | 72.6% |
3区(280円) | 71.0% | 72.4% | 73.8% |
4区(330円) | 74.8% | 76.1% | 77.4% |
5区(380円) | 76.3% | 77.5% | 78.6% |
会社ごとにばらつきはありますが、定期券は割引の良い切符であることは確かです。
でも、これが得か損かはあなたの使い方次第。月にどのくらい利用するかによってきます。
定期券は何日使えばでトク?(損益分岐点)
定期券を買うにあたっての悩みどころは、損か得か?
つまり、何回(何日)乗ったら元が取れるということです。難しい言葉では「損益分岐点」。
これは、先に触れたように、割引率が鉄道会社や区間で違うため、ひとくくりにして、ズバリ○回とか○日とは言えません。
割引率が高いほど、少ない回数・日数で元が取れます。
あなたが買おうとする定期券について知りたいときは、その区間ごとに、計算して調べる必要があります。
計算方法は超簡単です。
例えば、大阪地下鉄(メトロ)の「梅田駅~難波駅」の1ヶ月定期の場合は、こうなります。
通勤定期 | 通学定期 | |
普通運賃 | 230円(往復460円) | 230円(往復460円) |
1ヶ月定期代 | 9,100円 | 4,200円 |
損益分岐点 | 19.8日 | 9.1日 |
通勤1ヶ月定期券は月に20日以上、往復で乗るなら元が取れてお得ということになります。
仕事が週休2日で月に22~23日の出勤でしたら得。ただ、祝日や休暇、出張などがあると損になりやすいです。
定期券の損得をみるときは、定期区間が「乗り放題(乗り降り自由)」であるメリットや、外回り営業やプライベートなど通勤以外での使用も含めるようにしましょう。
また、定期券の区間外へ出かける場合も、定期券で乗り越しすれば、その分の運賃で済みます。
今、あなたが定期券を使っている場合も、一度計算してみることをおすすめします。これまで得していたと思っていたけど、実は損だったという重大事実に気付けるかも。交通費や家計を見直す際はぜひに。
割引率が低めの地下鉄、特に京都市営地下鉄は要注意です。
【参考】大阪地下鉄は定期券よりPiTaPa「マイスタイル」の方が得。
一方、通学定期券は、10日で元がとれるので、夏休みや冬休みなど長期休暇がからまなければ、文句なしにお得です。
どの会社も破格の割引率なので、学生さんは使わないと損です。
ここで、関西の主な線区の損益分岐点をみてみました。参考までに。
1ヶ月定期券の元が取れる日数
会社 | 利用区間 (普通運賃・片道大人) |
通勤1ヶ月 割引率 |
元が取れる日数 通勤(通学) |
JR西日本 | 大阪駅~京都駅(570円) | 50.8% | 15日(7日) |
大阪駅~三田駅(770円) | 52.8% | 15日(7日) | |
大阪駅~姫路駅(1,520円) | 56.3% | 14日(7日) | |
近鉄電車 | 大阪難波駅~奈良駅(570円) | 41.6% | 18日(5日) |
大阪阿部野橋駅~古市駅(410円) | 40.7% | 18日(7日) | |
南海電車 | 難波駅~岸和田駅(500円) | 36.3% | 20日(6日) |
難波駅~河内長野駅(570円) | 41.6% | 18日(6日) | |
京阪電車 | 淀屋橋駅~枚方市駅(340円) | 35.2% | 20日(6日) |
阪急電車 | 大阪梅田駅~西宮北口駅(270円) | 39.7% | 19日(7日) |
大阪梅田駅~大宮駅(400円) | 35.5% | 20日(7日) | |
阪神電車 | 大阪難波駅~神戸三宮駅(410円) | 33.0% | 21日(8日) |
山陽電車 | 高砂駅~明石駅(570円) | 43.2% | 18日(7日) |
神戸電鉄 | 神戸三宮駅~鈴蘭台駅(470円) | 33.3% | 20日(11日) |
能勢電鉄 | 日生中央駅~大阪梅田駅(590円) | 37.4% | 19日(10日) |
泉北高速 | 和泉中央駅~難波駅(570円) | 23.7% | 23日(10日) |
北大阪急行 | 千里中央駅~梅田駅(370円) | 34.6% | 20日(10日) |
京都市営地下鉄 | 京都駅~北大路駅(260円) | 29.5% | 22日(16日) |
神戸市営地下鉄 | 三宮駅~西神中央駅(410円) | 35.3% | 20日(12日) |
ポートライナー | 三宮駅~医療センター前駅(250円) | 35.7% | 20日(10日) |
大阪モノレール | 千里中央駅~柴原阪大前駅(250円) | 34.8% | 20日(10日) |
叡山電車 | 出町柳駅~宝ヶ池駅(270円) | 50.3% | 15日(10日) |
嵐電 | 全線(220円) | 43.2% | 17日(10日) |
水間鉄道 | 貝塚駅~水間観音駅(300円) | 40.0% | 18日(11日) |
この例をみても、元が取れる日数は会社、区間でバラバラです。
ただ、目安として最低、次の日数ぐらい往復で乗るようでしたら、定期券を検討してみるといいと思います。
- JR西日本は、1ヶ月15日
- 私鉄は、1ヶ月18~20日
- 地下鉄は、1ヶ月は20日
そして、あなたが実際に利用する区間の定期代を、各社の公式サイトや駅などで確認して、正確な”損益分岐点”を計算してみてください。(関西の鉄道会社のリンク先は記事の最後にまとめています)
1ヶ月定期で損でも、3ヶ月定期や6ヶ月定期なら得ということは普通にありますので、あわせて検討をおすすめします。
どこの鉄道会社でも、「通勤」「通学」にかかわらず、1ヶ月より3ヶ月、6ヶ月と有効期間が長いものほど割安設定になっているからです。
つまり、定期券を買うなら、6ヶ月定期が一番割安。
割引率の傾向は、関西の鉄道で調べたところ、こんな感じです。
- 1ヶ月定期×3回 >3ヶ月定期(5%割引)
- 1ヶ月定期×6回 >6ヶ月定期(10%割引 ※JRは約10~20%)
- 3ヶ月定期×2回 >6ヶ月定期(6%割引 ※神戸新交通は約12%)
パッと見の割引率は、とりたてて高くないですが、定期代はまとまった金額なので、節約のインパクトはあります。
特に6ヶ月定期は、一時的な出費が大きいですが、無理して買う値打ちはあります。JRだと区間によっては1ヶ月定期6回分より2割近くも安く、実質1ヶ月分がタダになります。
このほか、定期券をなるべくお得に買うために、知っておきたいポイントをまとめました。こちらの記事もよかったらご覧ください。
【主な関西の鉄道】定期代検索リンク集
JR西日本 | 近鉄 | 南海 |
京阪 | 阪急 | 阪神 |
山陽 | 神鉄 | 能勢 |
大阪モノレール | 北大阪急行 | ポート/六甲ライナー |
大阪メトロ | 京都市営地下鉄 | 神戸市営地下鉄 |
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