JRで、毎年期間限定で発売される「青春18きっぷ」と「秋の乗り放題パス」は、北海道から九州までJRの普通列車が乗り放題できる格安切符です。
しかし、青函トンネルを挟んだ本州と北海道との間は、普通列車が走っていません。新幹線だけです。
このため、「青春18きっぷ」や「秋の乗り放題パス」を使って移動できません。
そこで、これら切符の利用者が新幹線で移動できるように、「北海道新幹線オプション券」という切符が用意されています。
でも、「北海道新幹線オプション券」の利用には、ややこしい部分があります。
土地勘が無い人にとっては、なおさらなので、ここではその内容と使い方(注意点)をまとめました。【2023年版】
JR「北海道新幹線オプション券」とは?(有効区間)
「北海道新幹線オプション券」は、「青春18きっぷ」あるいは「秋の乗り放題パス」と組み合わせることで、本州と北海道との間を、北海道新幹線に乗って移動できる片道用切符です。
「青春18きっぷ」または「秋の乗り放題パス」とセットでしか使えません。
「北海道新幹線オプション券」で、利用できる区間は次の通りです(赤丸の区間)。
- 北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅~木古内(きこない)駅間
- 道南いさりび鉄道線の木古内駅~五稜郭駅間【通過のみ】
まず、新幹線の対象区間が「新青森駅~新函館北斗駅」ではないので、注意が必要です。
途中の「奥津軽いまべつ駅~木古内駅」だけです。その前後はJR津軽線、道南いさりび鉄道の普通列車を利用します。
現在、本州側のJR津軽線「蟹田駅~津軽二俣駅~三厩駅」は、大雨による被害のため運休しています(2022年8月~)。復旧見込みは不明。代行バスが運行されています。
最新の状況は、JR東日本の公式サイトで確認ください。
JR「北海道新幹線オプション券」の使い方は?(注意点)
片道につき1人1枚必要です。
「北海道新幹線オプション券」1枚で片道を1人1回利用できます。往復する場合は2枚必要です。
有効期間は乗車した当日、1日限りです。
「北海道新幹線オプション券」単独で使えません。
先にも触れましたが、「北海道新幹線オプション券」は、名前の通り「青春18きっぷ」や「秋の乗り放題パス」のオプション(追加)という位置づけの切符です。
このため、これだけを単独で使えません。必ず「青春18きっぷ」や「秋の乗り放題パス」とセットです。
乗り降りする駅では、改札口で「青春18きっぷ」「秋の乗り放題パス」と一緒に「北海道新幹線オプション券」を提示します。
新幹線は乗り越しできません。
繰り返しになりますが、新幹線を利用できるのは「奥津軽いまべつ駅~木古内駅」のみです。乗り越しはできません。
もし、この区間を越えて利用した場合は、実際に乗車した区間の普通運賃と特急料金の全額がかかります。
「北海道新幹線オプション券」との差額ではありません。
つまり「北海道新幹線オプション券」が無駄になってしまいます。寝過ごしにも要注意です。
新幹線は空いた席に座れます。
北海道新幹線では、自由席のほか普通指定席でも、空いている席に座れます。グリーン車やグランクラスは利用できません。
※「北海道新幹線オプション券」に、指定席券やグリーン券を追加して使うことはできません。
道南いさりび鉄道では途中下車できません。
「北海道新幹線オプション券」では、北海道側で道南いさりび鉄道を利用しますが、木古内駅~五稜郭駅を通過するだけの乗車に限ります。
途中の駅では下車(改札から駅の外に出る)できません。
もし途中下車した場合は、乗車した区間の普通運賃がまるまるかかります。
※木古内駅と五稜郭駅では途中下車できます。
JR「北海道新幹線オプション券」の値段は?(2023年版)
「北海道新幹線オプション券」の値段は、このようになっています。
「青春18きっぷ」用 | 【大人・子供共通】 2,490円 |
「秋の乗り放題パス」用※
|
【大人】 2,490円 |
【子供】 1,240円 |
※「秋の乗り放題パス」の値段は2022年のものです。今の時点では、2023年の発売を含めて未定です。毎年夏過ぎに発表されます。
JR「北海道新幹線オプション券」の発売期間と有効期間は?(2022年版)
「北海道新幹線オプション券」は、「青春18きっぷ」「秋の乗り放題パス」の発売期間に合わせて、発売されます。
「青春18きっぷ」用の発売期間と有効期間
「青春18きっぷ」用「北海道新幹線オプション券」は、春、夏、冬の3回発売されます。
【2023年版春用】
発売期間 | 2023年(令和5年)2月20日~4月10日 |
有効期間 | 2023年(令和5年)3月1日~4月10日 |
【2023年版夏用】
発売期間 | 2023年(令和5年)7月1日~9月10日 |
有効期間 | 2023年(令和5年)7月20日~9月10日 |
【2023年版冬用】
発売期間 | 2023年(令和5年)12月1日~2024年(令和6年)1月10日 |
有効期間 | 2023年(令和5年)12月10日~2024年(令和6年)1月10日 |
「秋の乗り放題パス」用の発売期間と有効期間
2023年版「秋の乗り放題パス」用の発売は、今の現在は未定です。
【参考】2022年版の発売期間
発売期間 | 2022年(令和4年)9月10日~10月23日 |
有効期間 | 2022年(令和4年)10月1日~10月23日 |
JR「北海道新幹線オプション券」はどこで買える?(購入方法)
「北海道新幹線オプション券」は、下記の場所で発売しています。
青森や函館に限られていませんので、旅の途中でも購入できます。
- JR駅のみどりの窓口、一部の券売機(指定席券売機やみどりの券売機など)
- 主な旅行会社
※JR西日本では「みどりの券売機」でも買えます(設置駅 )。
※旅行会社で購入する場合は、取扱手数料が別にかかることがありますので、買う前に確認することをおすすめします。
JR「北海道新幹線オプション券」公式サイト
「北海道新幹線オプション券」の最新情報については、JR西日本などJR各社の公式サイトで確認ください。
【参考】青森~函館は船旅の選択も
「青春18きっぷ」「秋の乗り放題パス」で、本州と北海道との間を移動するための「北海道新幹線オプション券」ですが、実際のところ、使い勝手があまりよくありません。
そもそも「奥津軽いまべつ駅」と「木古内駅」に停まる新幹線が1日7~8本しかありません。
その上、それぞれの駅に接続するJR津軽線や道南いさりび鉄道も、運転本数が少なく、乗り継ぎもよくありません。
このため青森駅から函館駅まで約5~7時間、函館駅から青森駅まで約4~7時間と、思いのほか時間がかかります。
「北海道新幹線オプション券」を利用する場合は、事前に最新の時刻表で乗り継ぎをしっかり確認しておくことが大事です。
このように、本州~北海道のJRで移動するのは不便。そこで、船(フェリー)を使うという選択肢があります。
青森・函館間を約4時間で結んでいます。
料金は片道で2,100円~と「北海道新幹線オプション券」より安いか、あまり変わりません。
本数もそれなりにあって、夜間便も設定されているので、時間を有効に使えます。