JRで、毎年期間限定で発売される「青春18きっぷ」「秋の乗り放題パス」は、北海道から九州まで日本全国のJRで普通列車を乗り放題できる格安切符です。
しかし、唯一、本州と北海道との間は利用できません。
北海道新幹線が開通したことによって、普通列車が走っていないからです。
そこで、「青春18きっぷ」と「秋の乗り放題パス」の利用者が、北海道新幹線を使って本州と北海道の間を移動することができる「北海道新幹線オプション券」という別売りの切符が用意されています。
ただ「北海道新幹線オプション券」の利用にはややこしい部分があります。
土地勘が無い人はなおさらなので、ここではその内容や使い方(注意点)などをまとめました。【2022年版】
目次
「北海道新幹線オプション券」の有効区間は?
「北海道新幹線オプション券」は、「青春18きっぷ」あるいは「秋の乗り放題パス」と組み合わせることで、北海道新幹線で青函トンネル区間を経由して本州と北海道を移動できる切符です。
「北海道新幹線オプション券」で利用できる区間は次の通りです(赤丸の区間)。
- 北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅~木古内(きこない)駅間
- 道南いさりび鉄道線の木古内駅~五稜郭駅間【通過のみ】
図のように、新幹線は新青森駅~新函館北斗駅の間ではないので注意してください。
上記の区間外は、乗車した区間分の普通運賃や特急料金がまるまる別にかかります。「北海道新幹線オプション券」では乗り越し精算できません。
「北海道新幹線オプション券」の使い方は?(注意点)
片道につき1人1枚必要です。
「北海道新幹線オプション券」1枚で片道を1人1回利用できます。乗り放題ではありません。往復する場合は2枚必要になります。
有効期間は乗車日当日1日限りです。
「北海道新幹線オプション券」単独では使えません。
「北海道新幹線オプション券」は、その名前の通り「青春18きっぷ」や「秋の乗り放題パス」のオプション(追加)という位置づけになりますので、これだけ単独では利用できません。
乗車する駅の改札口では、「青春18きっぷ」または「秋の乗り放題パス」と一緒に提示する必要があります。
新幹線では空いた席に座れます。
北海道新幹線の区間では、自由席のほか普通指定席でも、空いている席があれば利用できます。グリーン車やグランクラスは利用できません。
※「北海道新幹線オプション券」に指定席券やグリーン券を追加して使うことはできません。
道南いさりび鉄道の区間では途中下車できません。
「北海道新幹線オプション券」では、道南いさりび鉄道の区間では「通過」利用のみ可能です。
乗り降り自由ではありませんので、途中下車(改札から駅の外に出ること)できません。もし途中下車した場合は、乗車区間の普通運賃がまるまる別にかかります。
※木古内駅と五稜郭駅では途中下車できます。
「北海道新幹線オプション券」の値段は?(2022年版)
「北海道新幹線オプション券」の値段は、このようになっています。
「青春18きっぷ」用 | 【大人・子供共通】 2,490円 |
※「秋の乗り放題パス」用 | 【大人】 2,490円 |
【子供】 1,240円 |
※「秋の乗り放題パス」用は2021年版の値段です(参考まで)
「北海道新幹線オプション券」の発売期間と有効期間は?(2022年版)
「北海道新幹線オプション券」は、「青春18きっぷ」「秋の乗り放題パス」に合わせて期間限定で発売されます(同じ発売期間です)。
「青春18きっぷ」用の発売期間と有効期間
「青春18きっぷ」用は、春、夏、冬の3回発売されます。
【2022年版春用】
発売期間 | 2022年(令和4年)2月20日~3月31日 |
有効期間 | 2022年(令和4年)3月1日~4月10日 |
【2022年版夏用】
発売期間 | 2022年(令和4年)7月1日~8月31日 |
有効期間 | 2022年(令和4年)7月20日~9月10日 |
【2022年版冬用】
発売期間 | 2022年(令和4年)12月1日~12月31日 |
有効期間 | 2022年(令和4年)12月10日~2023年(令和5年)1月10日 |
【参考】「青春18きっぷ」(2022年版)の内容
「秋の乗り放題パス」用の発売期間と有効期間
発売期間 | 未発表(毎年9月上旬~10月下旬) |
有効期間 | 未発表(毎年10月上旬~下旬) |
【参考】「秋の乗り放題パス」(2021年版)の内容
「北海道新幹線オプション券」はどこで買える?(購入方法)
「北海道新幹線オプション券」は、下記の場所で発売しています。特に青森や函館に限られていません。
旅の途中でも購入できます。
- JR各社の駅のみどりの窓口、一部の券売機
- 主な旅行会社
※JR西日本では「みどりの券売機」でも買えます(設置駅 )。
※旅行会社で購入する場合は、取扱手数料が別にかかることがありますので、買う前に確認することをおすすめします。
「北海道新幹線オプション券」公式サイト
「北海道新幹線オプション券」の最新情報については、JR西日本などJR各社の公式サイトで確認ください。
【参考】青森~函館は船旅の選択も
「青春18きっぷ」「秋の乗り放題パス」で、本州と北海道との間を移動するための「北海道新幹線オプション券」ですが、実際のところ、使い勝手があまりよくありません。
そもそも「奥津軽いまべつ駅」「木古内駅」に停まる新幹線が1日7~8本しかありません。
その上、それぞれの駅と接続するJR津軽線(津軽二股駅)は上下各5本、道南いさりび鉄道は上下9本と、こちらも少なく乗り継ぎの接続もよくありません。
このため青森駅から函館駅まで約5~7時間、函館駅から青森駅まで約4~7時間と、かなり時間がかかります。
「北海道新幹線オプション券」を利用する場合は、事前に最新の時刻表で乗り継ぎをしっかり確認しておくようにしましょう。
また、北海道~本州の移動に船を使うという選択肢もあります。
青森・函館間を「津軽海峡フェリー」が直航で約3時間40分で結んでいます。上下8本運航されています。深夜便もあります。
料金は片道スタンダードで2,460円~3,450円(時期よって変動)と「北海道新幹線オプション券」とあまり変わりません。
便によっては、フェリーの方が効率がいいかもしれません。参考まで。