
こんな疑問にお答えします。
【この記事の内容】
- JRの「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」という周遊切符を紹介します(内容、値段、発売期間、購入方法)。
京都、大阪、神戸から、城崎温泉、出石(いずし)、天橋立など兵庫県や京都府の北部方面へ、電車で安く観光に出かけたいあなたは、JRの「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」という周遊切符を、まずチェックです。
この切符は、京阪神からJR特急電車の往復と、現地で鉄道やバスなどの乗り放題、観光施設(7か所)の利用がセットになったものです。
購入や利用にあたって、いくつか条件がありますが、その分、値段がめちゃくちゃ安いです。
行き帰りにかかる通常の特急電車代に、ちょっとプラスするだけで、使える範囲がぐっと広がります。
ここでは「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」の内容、値段、発売期間、購入方法をまとめました。【2022年版】

JR「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」ってどんな切符?
JRの「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」は、京都、大阪、神戸から城崎や天橋立がある北近畿地区(兵庫県北部、京都府北部)へ格安の周遊切符です。
この方面へは、費用面の理由から車で出かける人も多いですが、この切符を使うことで、鉄道旅のハードルが下がりますよ。
2人以上用で3日間有効です。
「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」は、2人以上で利用する必要があります。1人旅には使えません。
また、有効期間は連続した3日間です。最大2泊3日の旅行に使えます。
旅館やホテルは付いていませんので、別に手配してください。
京阪神から行き帰りは特急の指定席で。
「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」では、京都市内、大阪市内、神戸市内の駅から現地まで、JR特急の指定席で往復します(下図)。
発着駅 | 行き帰りのルートと特急列車 |
京都市内 | 山陰線経由「きのさき」「はしだて」「まいづる」号 |
大阪市内 | 播但線(姫路駅経由)「はまかぜ」号、または福知山線(尼崎駅経由)「こうのとり」号 |
神戸市内 |
※発着駅~乗り放題区間の途中駅では、下車(改札から駅の外へ出る)できません。下車すると、その切符は無効になります。
この地区を走るJRの特急列車は全車指定席で、自由席がありません(2022年3月12日~)。もし予約した列車に乗り遅れると、後続の特急には乗れますが、「立席」が基本になります。
ただ、このとき車掌さんに申し出て、空席があれば調整してもらえます(満席だと無理)。乗り遅れには要注意です。
、
現地の鉄道やバスなど3日間乗り放題!
「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」は、現地で以下の鉄道やバスなどが3日間乗り放題で利用できます。
交通機関 | 乗り放題区間 |
JR西日本 (普通列車・快速列車)) |
|
京都丹後鉄道 (普通列車・快速列車) |
※観光列車、レストラン列車(くろまつ号、あかまつ号)は利用できません。 |
全但バス (路線バス) |
|
夢但馬周遊バス 「たじまわる」 |
※土日祝運行です。月によって運行区間が変わります。 |
◆夢但馬周遊バス「たじまわる」は、JRの駅と但馬の観光地を周遊する観光バスです。土日祝のみの運行です。また、コースごとに運行時期や期間がありますので、最新情報を確認してください。予約なしでも利用できますが、多客時は予約している方が無難です。
JR、京都丹後鉄道とも、京阪神からの行き帰り以外、乗り放題区間で特急列車は利用できません。
追加料金(特急券、指定席券)を支払えば乗車できます。
観光施設7か所が無料で利用できます。
「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」には、7か所の観光施設の料金が含まれています。
- 城崎マリンワールド(水族館)
- 城崎ロープウェイ
- 城崎文芸館
- 城崎麦わら細工伝承館
- 城崎温泉観光センターのレンタサイクル(大人のみ、普通自転車、1日1回2時間限り)
- 出石家老屋敷
- 天橋立傘松公園(天橋立観光船&モーターボート:天橋立桟橋~一の宮桟橋、傘松ケーブルカー&リフト)
※天橋立のモーターボートの利用は1日片道1回のみ。
JR「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」の値段は?【2022年版】
「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」の値段は次の通りです(一人あたり)。
発着駅 | 大人 | 子供 |
京都市内から | 11,500円 | 5,750円 |
大阪市内から | 12,500円 | 6,250円 |
神戸市内から | 12,000円 | 6,000円 |
※発売は京阪神の市内駅からの設定になります。それ以外の駅からでも利用できますが、駅によっては最寄りの「市内駅」までの運賃が別にかかることがあります。
例えば、大津駅から利用する場合は京都市内の山科駅までの運賃が別途必要です(回数券や定期券でもOK)。
ここで、「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」の値段がどれくらい安いのか、通常の電車代やバス代、観光施設の料金と比べてみましょう(大人の場合)
電車・バス(片道) | |
【特急】京都駅~城崎温泉駅(指定席、通常期) | 4,930円 |
【特急】京都駅~天橋立駅(指定席、通常期) | 4,790円 |
【特急】大阪駅~城崎温泉駅(指定席、通常期)尼崎経由 | 5,700円 |
【特急】大阪駅~天橋立駅(指定席、通常期)尼崎経由 | 5,680円 |
【特急】三ノ宮駅~城崎温泉駅(指定席、通常期)姫路経由 | 5,370円 |
【特急】三ノ宮駅~天橋立駅(指定席、通常期)尼崎経由 | 6,010円 |
【JR】城崎温泉駅~竹田駅 | 860円 |
【JR】城崎温泉駅~豊岡駅 | 200円 |
【丹鉄】豊岡駅~天橋立駅 | 1,200円 |
【丹鉄】福知山駅~天橋立駅 | 800円 |
【丹鉄】西舞鶴駅~天橋立駅 | 650円 |
【全但バス】城崎温泉駅~城崎マリンワールド | 320円 |
【全但バス】豊岡駅~コウノトリの郷公園 | 250円 |
【全但バス】豊岡駅~出石 | 590円 |
【たじまわる】1コース1日乗車券 | 1日500円 |
観光施設 | |
城崎マリンワールド | 2,600円 |
城崎ロープウェイ(山麓駅~山頂駅) | 往復910円 |
城崎文芸館 | 500円 |
城崎麦わら細工伝承館 | 300円 |
レンタサイクル(普通自転車2時間) | 500円 |
傘松公園ケーブルカー・リフト | 片道340円 往復680円 |
天橋立観光船(天橋立桟橋~一の宮桟橋) | 片道700円 往復1,200円 |
出石家老屋敷 | 200円 |
上の例のように、普通に特急電車で京阪神から城崎や天橋立まで単純往復すると、それだけで「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」の値段に近い電車代がかかります。
言い換えると、「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」は、通常の往復の特急代で、現地での交通費(乗り放題)や観光施設の料金も付いていることになります。
観光施設の利用が無料というのは、インパクトがあります。
なかでも人気の城崎マリンワールドは入場料が2,600円します。7か所に全部行くと7,000円近くします。これが切符の値段に「込み」です。
このように、「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」はかなり安く、元はすぐ取れます。
それから、行先によっては日帰りでもお得です。
JR「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」の注意点は?
このように、めちゃくちゃ安い「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」ですが、その代わり、購入や利用にあたって、次のような制約や注意点がありますので、確認しておきましょう。
申し込みは2人以上で。
先にも触れましたが、「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」は、1人では買えません。必ず2人以上で申し込む必要があります。
親子連れなど大人と子供で2人の組み合わせはOKです。子供だけの組み合わせはできません。
そして、その同行する人とは、同じ出発地から、同じ列車に乗って、同じ行程で移動して、帰ってこないといけません。この点が一番の注意点になります。
購入は出発日の前日までに、インターネットで。
「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」が買える期間は、利用する日(城崎や天橋立などへ出発する日)の1ヶ月前から前日の23:59までです。
出発の当日に買えません。
また、インターネット限定発売になっていて、駅では買えません(後述します)。
JR「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」の発売期間と有効期間は?【2022年版】
発売期間(買える期間)
2022年(令和4年)2月12日~2023年(令和5年)3月30日
有効期間(使える期間)
2022年(令和4年)3月12日~2023年(令和5年)4月2日の連続した3日間
JR「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」はどこで買える?(購入方法)
「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」は、インターネットでしか買えません。JR西日本の予約サイト「e5489」限定発売となっています。
駅の窓口や券売機では買えませんので注意してください。
JRの予約サイト「e5489」では、パソコンやスマホから新幹線や特急の予約や切符の購入ができます。誰でも利用できますが、最初に「JR-WESTネット会員」への登録が必要です。
登録自体は簡単で、会費など費用は一切かかりません。そんなに特急や新幹線を利用しないという人でも登録してておいて損はありません。
パソコンやスマホからJR西日本公式サイト「e5489」にアクセス、ログインします。
「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」を利用する日にち、人数(2名以上)、行き帰りに利用する特急と乗車区間を入力して予約(申し込み)します。
切符の予約(申し込み)が完了しましたら、次は支払いです。その方法には以下の3つがあります。
- クレジットカード払い(その場で決済)
- 駅の窓口払い
- コンビニ払い(セブンイレブン、ローソン、ファミマなど)
駅とコンビニの場合は支払い期限があります。その期日までに支払わないと予約は自動的に取り消しされてしまいます。
支払いを済ませたあとは、出発当日の乗車するまでに、京阪神のJR駅「みどりの窓口」か、主な駅に設置してある「みどりの券売機」に立ち寄って、「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」の現物を受け取ります。
「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」は、インターネット発売ですが、チケットレスではありません。切符の現物がないと乗車できないので注意してください。
【変更の取り扱い】
「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」を買った後で、利用日、利用区間、指定列車を変更したいときは、切符現物の受け取り前なら、「e5489」で合計28回までできます(クレジットカードで支払った場合のみ)。
切符の受け取り後は、発券駅の「みどりの窓口」で、支払い方法に関係なく1回可能です。
このとき、2人組みの1人が取り消しすると、残り1人は出かけられなくなります。
【払い戻しの取り扱い】
切符を使わなくなったとき(旅行中止)は、基本的に最初の指定列車の出発時刻前までなら払い戻しできます。
出発後も、使用した「往き」用は払い戻しできませんが、残りの「帰り」用切符など未使用でしたら、払い戻ししてもらえます。
いずれの場合も、払い戻し手数料がかかります(1人560円~)。
※詳しくは、JR西日本の公式サイトで確認ください。
JR「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」公式サイト
「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」の最新情報や購入、「e5489」の会員登録については、JR西日本の公式サイトで確認ください。
京都、大阪、神戸から城崎や竹田城、出石、天橋立など北近畿へ、JRを使た旅行を検討中でしたら、「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」はお値打ちです。まともに電車代を払うのがアホらしくなるほど。
使える範囲が広く、無料の観光施設も多いですが、フルで使わなくても、安くつく場合が多いので、この方面に出かけるときは、日帰りでもまず確認してみてください。
ただ、ネットで前日までしか買えないことと、2人以上の利用が条件という点は要注意です。
【参考】北近畿の電車・バスのお得な切符まとめ(現地で買えるものも)
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