普段、よくJRを利用するあなたに、電車代、交通費の節約が期待できる「PiTaPa(ピタパ)」の運賃割引サービスを紹介します。
PiTaPaは、「ICOCA(イコカ)」と並ぶ関西の交通系ICカードの二大看板のひとつ。
ICOCAのように、カードにあらかじめ、お金をチャージしておかなくていい”ポストペイ(後払い、後日引き落とし)”方式であることが大きな特徴です。
このPiTaPaには、関西地区のJRで使うと、利用回数に応じて運賃が割引になるというメリットもあります。
ここでは、そのPiTaPa利用者向けに2種類あるJRの運賃割引サービスをまとめました。
目次
JRのPiTaPa運賃割引サービスは2種類
PiTaPaを使ったJRの運賃割引サービスには、次の2種類があります。
どちらの割引も、ポストペイ(後払い)が条件で、1ヶ月間(1日~末日)の利用実績(回数)に応じて受けられます。
- 「時間帯指定割引」
- 「利用回数割引」
割り引きになった分は、後日請求される金額に反映されます。
【JRのPiTaPaポストペイに対応している範囲】
PiTaPa(ピタパ)の「ポストペイ」は、運賃の後払いサービスで、関西のJRをはじめ私鉄や地下鉄、バスの多くで導入されています。
使った運賃は、1ヶ月分をまとめて後日請求されて、口座から引き落としされます。クレジットカードと同じです。
ただ、JR西日本の全線でポストペイで使えるわけではありません。関西地区の一部だけになります(下図)。
この範囲内をPiTaPaで乗り降りすると、自動的に(=強制的に)ポストペイになります。
逆に、この範囲の外や範囲の中と外をまたぐ利用には、ポストペイできません。
このときは、PiTaPaにチャージ(入金)しているお金からの支払いなります(残高がなければ要チャージ、ICカード未対応の区間では現金払い)。
JRで”PiTaPaが利用できる=ポストペイ(後払い)対応”というわけではないので、注意してください。
※JRの「PiTaPaポストペイサービス」は2018年(平成30年)10月1日から始まりました。
「時間帯指定割引」(京阪神地区のみ)
PiTaPaの「時間帯指定割引」は、京阪神の特定区間(下図)を平日の10時~17時、土休日(始発~終電)に、ひと月のうちに4回以上利用すると、4回目から1回の乗車ごとに運賃が30%または50%割引になるというものです。
月に最低4回は乗らないといけませんが、割引率が30%、または50%と高いです。
※1回から3回目の利用には割引はありません。
※「時間帯指定ポイント」は大人用カードのみに適用されます。
※定期券の区間は割引の対象外です。
「時間帯指定割引の対象となる具体的な区間は下表の通りです。
区間ごとにグループ分けされています。同じグループ内の区間を月に4回以上利用することで割引になります。
グループ番号 | 適用区間 | 4回目からの割引率 | 普通運賃 |
1 | 京都~西大路 | 30% | 130円 |
2 | 京都~桂川 | 30% | 160円 |
3 | 京都~向日町 | 30% | 180円 |
4 | 京都~長岡京 京都~山崎 |
30% | 220円 |
5 | 京都~島本 | 50% | 310円 |
6 | 京都~高槻 京都~摂津富田 |
50% | 400円 |
7 | 京都~JR総持寺 京都~茨木 |
50% | 470円 |
8 | 京都~千里丘 京都~岸辺 |
50% | 560円 |
9 | 京都~吹田 京都~東淀川 京都~新大阪 京都~大阪 西大路~大阪 桂川~大阪 向日町~大阪 |
50% | 570円 |
10 | 長岡京~大阪 | 50% | 560円 |
11 | 山崎~大阪 島本~大阪 |
50% | 470円 |
12 | 高槻~大阪 摂津富田~大阪 JR総持寺~大阪 |
30% | 260円 |
13 | 茨木~大阪 千里丘~大阪 |
30% | 220円 |
14 | 岸辺~大阪 吹田~大阪 |
30% | 180円 |
15 | 東淀川~大阪 新大阪~大阪 |
30% | 160円 |
16 | 大阪~塚本 | 30% | 160円 |
17 | 大阪・北新地~尼崎 | 30% | 180円 |
18 | 大阪・北新地~立花 大阪・北新地~甲子園口 |
30% | 220円 |
19 | 大阪・北新地~西宮 大阪・北新地~さくら夙川 大阪・北新地~芦屋 |
50% | 310円 |
20 | 大阪・北新地~甲南山手 大阪・北新地~摂津本山 大阪・北新地~住吉 |
50% | 400円 |
21 | 大阪・北新地~六甲道 大阪・北新地~摩耶 大阪・北新地~灘 大阪・北新地~三ノ宮 大阪・北新地~元町 塚本~三ノ宮 塚本~元町 |
50% | 410円 |
22 | 尼崎~三ノ宮 尼崎~元町 立花~元町 |
50% | 400円 |
23 | 立花~三ノ宮 甲子園口~三ノ宮 甲子園口~元町 西宮~三ノ宮 西宮~元町 |
50% | 310円 |
24 | さくら夙川~三ノ宮 さくら夙川~元町 芦屋~三ノ宮 芦屋~元町 甲南山手~元町 |
30% | 220円 |
25 | 甲南山手~三ノ宮 摂津本山~三ノ宮 摂津本山~元町 住吉~三ノ宮 住吉~元町 |
30% | 180円 |
26 | 六甲道~三ノ宮 六甲道~元町 摩耶~三ノ宮 摩耶~元町 灘~元町 |
30% | 160円 |
27 | 灘~三ノ宮 | 30% | 130円 |
28 | 大阪・北新地~塚口 大阪・北新地~猪名寺 大阪・北新地~伊丹 |
30% | 240円 |
29 | 大阪・北新地~北伊丹 大阪・北新地~川西池田 |
50% | 330円 |
30 | 大阪・北新地~中山寺 大阪・北新地~宝塚 塚本~宝塚 |
50% | 330円 |
31 | 尼崎~宝塚 塚口~宝塚 |
50% | 330円 |
32 | 猪名寺~宝塚 伊丹~宝塚 |
30% | 240円 |
33 | 北伊丹~宝塚 川西池田~宝塚 |
30% | 200円 |
34 | 中山寺~宝塚 | 30% | 190円 |
※「時間帯指定割引」を使うと、回数券よりも安くなる場合があります。
「利用回数割引」
PiTaPaの「利用回数割引」は、同じ運賃区間をその月に11回以上の利用した場合に、11回目以降は1回利用するごとに、その区間の運賃が10%割引になるというものです。
子供用カードにも適用されます。
この「利用回数割引」の対象になるのは、先に触れたJR西日本のPiTaPaポストペイ対応の範囲内を利用した場合です。
実際は、このPiTaPaの「利用回数割引」よりも回数券(11枚綴りで10回分の値段)の方が、1回目の乗車から割引あり、3か月間有効なのでお得です。
利用する区間(○○駅~××駅)が決まっているようでしたら、回数券がおすすめです。
※「時間帯指定割引」の特定区間(グループ)を4回以上利用して割引が適用されている場合は「利用回数割引」の対象になりません。3回以下のときは「利用回数割引」の対象になります。
※定期券の区間は割引の対象外です。
JRのPiTaPa運賃割引サービスの利用方法
事前登録は不要です
PiTaPaを利用したJRの「時間帯指定割引」「利用回数割引」を受けるには、特に登録や申し込みといった手続きは必要ありません。費用もかかりません。
あなたがすでにPiTaPaを持っていましたら、今この瞬間にでもJRの改札機に通すと、自動的に割引対象としてカウントされます。
乗降駅で自動改札機に必ずタッチ!
PiTaPaの「時間帯指定割引」「利用回数割引」を受けるためには、つぎの3つの条件が必要です。1つでも欠けると適用されません。
- 関西JRのPiTaPaポストペイ対応の区間・範囲内を利用する。
- PiTaPaを乗車駅と降車駅それぞれで、改札機に1回タッチする。
- ポストペイ(後払い)を確定させる。
乗車する駅の自動改札機にPiTaPaをタッチして駅に入り、下車する駅の自動改札機でタッチして駅から出ることで、ポストペイの支払いが適用になります。
この一連の流れで割引の元になる「利用回数(乗車回数)1回」とカウントされます。
ポイントは、乗車駅と下車駅の改札機両方で、直接PiTaPaをタッチすることです。
駅で乗り降りせず電車で通過しただけとか、一方でしかタッチしなかったとか、PiTaPaで券売機や精算機を使ったとか、PiTaPaと他の切符を併用して乗ったとかした場合は、割引対象外です。
割引分を差し引かれて後日請求
繰り返しになりますが、ポストペイが適用された運賃の支払いは、月ごとに後日請求されて、指定の金融機関の口座から引き落としになります。
請求金額は、割引分が差し引かれたものになります(明細で確認できます)。
JR「PiTaPaポストペイサービス」の最新情報
JRの「PiTaPaポストペイサービス」についての詳細や最新情報は、JR西日本の公式サイトで確認ください。
繰り返しになりますが、PiTaPaはICOCAのように、残額を気にしてお金をチャージ(入金)する必要がないので本当に便利です。利用明細もネットで詳細に見られるので管理もちゃんとできます。PiTaPaを持っていないならぜひ入会をおすすめします。ベーシックカードなら年会費などは費用はかかりません。
ただ、クレジットカードと同じなので、申し込みに当たっては審査があります。詳しくはPiTaPaの公式サイトで確認ください。オンライン申し込みもできます。
また、割引サービスについては、ICOCAでもPiTaPaとほぼ同じ内容が受けられる「ICOCAポイントサービス」があります。ICOCAは誰でも持てます。