
こんなお悩みにお答えします。
【この記事の内容】
- 京都市営地下鉄、バスの「IC24Hチケット」を紹介します(内容、値段、購入方法、利用方法)。
例えば、お昼に京都に着いて、次の日の夕方ごろまで、地下鉄やバスで安くあちこち観光したい場合は、「IC24Hチケット」を一度チェックしてみてください。
これは、地下鉄・バスの24時間版の乗り放題切符です。
従来の1日乗車券は、何時から使い始めても、その日の最終便までしか使えませんが、「IC24Hチケット」は、日付をまたいで24時間後まで使えます。
このため、2日間で半日ずつの京都滞在でも、このチケット1枚でお得に地下鉄やバスを乗り回すことができます。
ただ、「IC24Hチケット」の利用には、ICカードのICOCA(イコカ)かPiTaPa(ピタパ)が必要など、ひと癖?あるので注意が必要です。
また、観光客、旅行者には使いづらい面もあります。
ここでは、京都市営地下鉄、バスの「IC24Hチケット」の内容、値段、利用方法(使い方)、メリット・デメリットをまとめました。

京都市営地下鉄・バス「IC24Hチケット」ってどんな切符?
京都市営地下鉄・バスの「IC24Hチケット」には、次の2種類あります。
- 「バスIC24Hチケット」⇒2024年3月31日で発売終了
- 「地下鉄・バスIC24Hチケット」
地下鉄・バスが24時間乗り放題!
京都市の「IC24Hチケット」は、指定の日時から24時間、地下鉄や対象の路線バスを乗り放題で利用できる切符です。
※名前の「24H」は、24hours=24時間のことです。
それぞれの乗り放題できる範囲はこちら。
【地下鉄の乗り放題範囲】(地下鉄・バスIC24Hチケット)
- 京都市営地下鉄(烏丸線・東西線)
【路線バスの乗り放題範囲】(バス/地下鉄・バスIC24Hチケット)
- 京都市バスの均一運賃(230円)区間
- 京都バスの均一運賃(230円)区間
※範囲の中と外をまたいで乗車する場合は、乗り放題の対象外になります。
バスの乗り放題範囲は、鞍馬、貴船、大原、比叡山、洛西、山科、醍醐方面「以外」はカバーしています。
また、JRバス、京阪バスは利用できません。高雄、栂ノ尾方面へは市バスを利用してください。
※JRバスは、2024年春以降対応予定とのこと。
「バス一日券」や「地下鉄・バス一日券」の有効期間は、利用当日の始発から最終までですが、「IC24Hチケット」では利用開始からまるまる24時間後まで使えます。
もっとも、深夜・早朝は、地下鉄、バスとも運行していません。
例えば、今日の14時から使い始めると、明日の13時59分まで有効です。
「バス一日券」や「地下鉄・バス一日券」だと、2日分必要ですが、「IC24Hチケット」なら、1枚で済んで経済的です。
ICOCA、PiTaPaと利用登録が必要
「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」の特長の1つは、名前のとおり、ICカードの「ICOCA(イコカ)」または「PiTaPa(ピタパ)」に載せる(書き込む)方式の切符であることです。
このため、購入・利用するには、ICOCAかPiTaPaが必要です。
ICOCAとPiTaPa以外の交通ICカードは使えません。
ICOCA、PiTaPaはどんな種類でも基本的に大丈夫ですが、「モバイルICOCA」は使えません。
また、京都地下鉄、市バス、京都バスの定期券を搭載していたり、PiTaPaの登録型割引サービスを設定しているものは使えません。
あわせて、「京都地下鉄・バスICポイントサービス(もえポっ)」への登録が必要になります(初回のみ)。
その手続きは簡単です(後述します)。
「京都地下鉄・バスICポイントサービス(もえポっ)」とは、ICOCA、PiTaPaで地下鉄やバスを利用すると、ポイントがもらえるサービスです。
「バスIC24Hチケット」と「地下鉄・バスIC24Hチケット」は、「乗り継ぎポイント」「利用額ポイント」とあわせて用意されているプランの1つです。
貯まったポイントは、1ポイント=1円で、運賃や買い物の支払いに使えます。詳しくは公式サイトで確認ください(記事の最後にリンクがあります)。
京都市営地下鉄・バス「IC24Hチケット」の値段は?
「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」の値段はこちら。
大人 | 子供 | |
バスIC24Hチケット | 700円 | 300円 |
地下鉄・バスIC24Hチケット | 1,100円 | 550円 |
それぞれ「バス一日券」「地下鉄・バス一日券」と同じ値段です。
通常のバス運賃(1回乗車)は、下記の通りなので、24時間の内に、おおむね4回以上利用すれば、お得になります。
普通運賃 | 大人 | 子供 |
地下鉄1区(初乗り) | 220円 | 110円 |
地下鉄2区 | 260円 | 130円 |
地下鉄3区 | 290円 | 150円 |
地下鉄4区 | 330円 | 170円 |
地下鉄5区 | 360円 | 180円 |
バス(均一) | 230円 | 120円 |
【地下鉄の運賃例】
京都駅~国際会館駅 | 290円 |
京都駅~四条駅・烏丸御池駅 | 220円 |
京都駅~竹田駅 | 260円 |
京都駅~太秦天神川駅 | 260円 |
京都駅~醍醐駅 | 330円 |
京都駅~六地蔵駅 | 360円 |
京都市営地下鉄・バス「IC24Hチケット」のしくみは?
京都市の「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」は、便利でなかなか魅力的です。でも、しくみが独特で変わっています。
一般的に、「バス一日券」など電車やバスの乗り放題切符は、購入するときに代金を支払います。
しかし、「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」は違うんです。
地下鉄やバスに乗るたびに、利用登録したICOCAやPiTaPaで、いったん通常の運賃を支払います。
そして、使用開始から24時間内で、支払った運賃の合計額をみて、次のように取り扱われます。
「バスIC24Hチケット」の場合
24時間で合計700円未満 | 利用した分だけの支払い |
24時間で合計700円以上 | 超えた金額を「ポイント」で後日還元 |
「地下鉄・バスIC24Hチケット」の場合
24時間で合計1,100円未満 | 利用した分だけの支払い |
24時間で合計1,100円以上 | 超えた金額を「ポイント」で後日還元 |
24時間で利用した運賃の合計が、「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」の値段以下だった場合は、乗った分だけを支払います。
結局1回も乗らなかったら、0円です。
1日乗車券で値段分乗らなかったら、損した!と悔やむところですが、この点は「IC24Hチケット」のいいところです。
利用した運賃が、「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」の値段を超えたときは、超えた金額分を、後日「ポイント」(1円=1ポイント)で戻されます。
【例1】「バスIC24Hチケット」でバスに7回乗車した場合
24時間で支払った運賃 | 230円×7回 | 1,610円 |
ポイント還元 | 1,610円-700円 | 910ポイント=910円分 |
【例2】「地下鉄・バスIC24Hチケット」で地下鉄の220円区間を1回、290円区間を2回、バスを4回乗車した場合
24時間で支払った運賃 | 220円×1回+290円×2回+230円×4回 | 1,720円 |
ポイント還元 | 1,720円-1,100円 | 620ポイント=620円分 |
ICOCAの場合:「ICOCAポイント」⇒還元後にチャージが必要
・ ポイントが還元されるのは、「バスIC24Hチケット」を利用した翌月の15日です。
・還元されたポイントは、ICOCAにチャージ(充填)することで、全国のICOCAに対応している鉄道やバスの乗車や加盟店での支払いに使えます。
・ポイントのICOCAへのチャージは、京都市営地下鉄各駅の券売機、市バス洛西営業所のチャージ機で行えます(チャージの期限は還元翌月から12か月後の末日まで)。
PiTaPaの場合:「ショップdeポイント」⇒何もしなくてOK
このように、「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」は、それぞれ700円、1,100円と値段が付いていますが、ひとまず乗った分だけの運賃を支払わないといけないので、
乗れば乗るほど、出費が増えていきます。
特にICOCAなら、残高が減っていき、時にはチャージ(入金)も必要になるので、利用中のお得感はありません。
それに、チケット代を超えた分は、現金ではなく「ポイント」で還元というのも、人によっては不便です。
京都市営地下鉄・バス「IC24Hチケット」の利用方法(使い方)は?
「京都地下鉄・バスICポイントサービス(もえポっ)」に登録します。
「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」の購入・利用には、「京都地下鉄・バスICポイントサービス(もえポっ)」への登録が必要です(初回のみ)。
登録の手続きは、下記の場所でできます。お金はかかりません。

地下鉄券売機の場合
- インターネットの「もえポっ特設サイト」
- 京都市営地下鉄各駅の券売機
- 京都市バス洛西営業所のチャージ機
登録の際には、次のような項目があります。
- ICOCA、PiTaPaのカード番号
- 名前(カタカナかローマ字)
- 電話番号(固定電話OK)
- 生年月日
- (インターネットの場合)メールアドレス・パスワード(4桁暗証番号)
- 自宅の郵便番号
インターネットで登録する場合は、もうひと手間あります。
地下鉄各駅の券売機か、市バス洛西営業所のチャージ機に、6ヵ月以内にICOCA・PiTaPaを挿入します。これで、正式に登録完了です。
なお、これをやっていなくても、ポイントは貯まります。ただし、6か月経つと消滅してしまいます。
ICOCA(カード)、PiTaPaを持っていない場合は、先に入手してください。
ICOCAは関西のJR、主な私鉄、地下鉄の駅ですぐに買えます。
PiTaPaは入会申込書の提出が必要で、発行までに数週間がかかります。
「一日券サービス」に登録します。
実際に、「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」を使う場合は、使用開始の5分前までに、「一日券サービス登録」を行います。
利用開始日と時間(分単位)を指定するだけです。
費用はかかりません。
地下鉄やバスに乗ります。
「一日券サービス登録」で指定した日時が来ると、自動的に「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」が有効になって、その24時間後までの乗り放題タイムがスタートします。
その間は、登録したICOCA、PiTaPaで、地下鉄やバスに乗ります。
地下鉄は乗り降りの際に改札機に、バスは下車時に運賃箱の読み取り機にタッチします。
※一部のバス路線では、乗車時と下車時で2回タッチが必要です。
24時間経ったら自動的に「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」は無効になります。
【まとめ】京都市営地下鉄・バス「IC24Hチケット」のメリット・デメリット
「バスIC24Hチケット」は、以上のように、ちょっと変わっています。ここで、あらためてメリット、デメリットをまとめてみました。
2日滞在なら1日券より便利でお得に使えます。
「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」のメリットは、観光などで2日間滞在する場合に、使い方次第で、1日乗車券よりも便利だったり、お得になることです。
1日目の午後から2日目の午後までとか、1日目の夜から2日目の夕方までとか、1日乗車券が合わなかったり、2日分必要だった期間を、「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」1枚分でカバーできます。
また、「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」は、とりあえずは乗った分だけの運賃を支払うので、お値段以上に乗らなくても、損にはなりません。
安いメリットをすぐに受けられません。
「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」の値段は、運賃に比べると、格安に設定されています。
しかし実際は、いったんは乗車した回数分の運賃を全額支払わないといけません。
超えた分は「ポイント」で戻って来るとはいえ、値段以上の予算が必要。しかも、ポイント還元は即日ではなくて、翌月半ばです。
このように、「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」は、せっかくの安いというメリットを、すぐには受けられません。
観光客、旅行者は使いづらいです。
「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」を利用できるのは、ICOCAかPiTaPaを持っている人だけです。
ICOCAは旅行者、観光客でも、京都ですぐに入手できます。
還元されるポイントは、ICOCAにチャージすれば、全国の対応している鉄道やバス、加盟店で使えます。
ただ、そのチャージが、翌月15日以降から約1年間、京都の地下鉄駅でしかできません。
このため、「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」は、旅行者、観光客には使いづらいです。
まだ、年に数回、京都を訪れるならいいですが、そうでない人には合いません。
京都市営地下鉄・バス「IC24Hチケット」公式サイト
「バスIC24Hチケット」「地下鉄・バスIC24Hチケット」や、「京都地下鉄・バスICポイントサービス(もえポっ)」の最新情報や利用登録は、公式の特設サイトで確認ください。
一日券との違い
一日券 | IC24Hチケット | |
形態 | 磁気カード | ICOCA、PiTaPaに搭載 |
事前登録 | 不要 | 必要 |
有効期間 | 利用当日の始発便から最終便まで。 | 指定の利用開始時間から24時間。 |
支払い | 購入時に先払い。 | 乗車のつど運賃支払い。後日精算でポイント還元。 |
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