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大阪地下鉄の通勤定期券のお得な買い方「迂回」って知ってはる?

あなたが通勤で使っている大阪地下鉄(メトロ)の定期券は、例えば、仕事の外回りや買い物、飲み会、通院、習い事といったプライベートでも使えていますか。梅田や難波へも行けますか。

定期代が(職場から出ているとしても)けっこう高いわりには、通勤しか使い道がない「ショボい」定期券を使っているあなたに、「迂回(うかい)定期券」という”知る人ぞ知る”お得なしくみを紹介します。

大阪地下鉄(メトロ)のお得な「迂回定期券」の買い方

この「迂回」とは、定期券をいつもの最短ルートではなく、大回り(遠回り)するルートで買うという方法です。定期券の使い道を広げられます。

定期券に通勤で使う駅以外にも、プライベートでよく使う駅を組み入れられたらとめっちゃ便利やと思いませんか。

しかも「迂回」にしても、定期代は少しプラスになるくらい。区間によっては全く同じの場合もあります。全体的に交通費の節約も期待できます。

ここでは、「迂回定期券」とは?ということで、その内容としくみ、買い方についてまとめました。大阪メトロの定期券を利用中の人、これから作ろうかと検討している人は、ぜひ参考にしてください。知らかったら損ですよ。





「迂回(うかい)定期券」とは?

普通、定期券は利用する区間の最短ルートで作ります。そこを、あえて大回り(遠回り)のルートで作るのが「迂回(うかい)定期券」です。下図のようなイメージ。

大阪地下鉄(メトロ)「迂回定期券」は通勤以外でも使えるように(イメージ図)

迂回定期券にすることで、通常の定期券では含まれない駅が利用できるようになります。

ルートをうまく組めれば、通勤以外でも定期券の使える機会が増えますので、交通費全体の節約効果も期待できます。

ルートが大回りになると、乗車距離が長くなる分、運賃がけっこう高くなりそうですが、迂回定期券では、必ずしもそうとは限りません。

実際のところは、あなたの利用状況を見極める必要がありますが、特に最短ルートでも片道運賃が330円(4区)や380円(5区)する区間を利用している場合は、迂回定期券にしても、定期代は通常の定期券と同じか、ちょっと追加になるくらいです。

このため、「迂回」を検討してみる値打ちがあります。

※迂回定期券は、磁気カード定期券、ICOCA定期券ともに作れます。

迂回定期券を作っても、実際に大回りルートで乗る必要はありません。普通に最短ルートで大丈夫です。

ただ、迂回のルートに入っていない途中の駅では途中下車(乗り降り)できません。

「迂回定期券」のルートはどう設定する?(組み方)

迂回定期券を作るにあたっては、自宅と職場の最寄り駅、そして通勤以外で利用する(したい)駅を頭に置いてルートを考えます。

ただし、そのルートは好き勝手に組むことはできません。次の決まり(要件)の両方に合うようにしないといけません。

【迂回ルートの設定で必ず守らないといけないこと】

  1. 乗り換えは2か所までであること。
  2. 同じ駅を2回通らないこと。

乗り換えは2か所まで

まず、迂回定期券のルート設定では、地下鉄の路線から路線へ乗り換え(乗り継ぎ)する駅を片道2か所までとしないといけません。

例えば、御堂筋線から「本町駅」で中央線へ乗り換えると「乗り換え1回」になります。こうした乗り換えを最大2回でルートを組みます。

ただし、地下鉄とニュートラムとの乗り換え(コスモスクエア駅・住之江公園駅)は、乗り換え回数にカウントしません。

駅名や場所は違うが「乗換駅」として利用できる駅

  • 御堂筋線「梅田駅」と四つ橋線「西梅田駅」と谷町線「東梅田駅」
  • 御堂筋線・長堀鶴見緑地線の「心斎橋駅」と四つ橋線「四ツ橋駅」

それぞえ3つの駅、2つの駅で1つの駅として扱います。梅田での乗り換えは改札をいったん出て、駅から駅へ移動します。

同じ駅を2回通らないこと

もうひとつ、迂回定期券のルートは同じ駅を2回通るような組み方はできません。必ず「一筆書き」にならないといけません。

このとき、以下の3か所は路線や場所が違いますが、同じ1つの駅と扱います。ルートを設定するときに2回通らないように注意が必要です。特に御堂筋線と四つ橋線をルートに絡めるときは注意が必要です。

【駅名は違うけど同じ駅として扱う】

  • 「梅田駅」(御堂筋線)と「西梅田駅」(四つ橋線)と「東梅田駅」(谷町線)
  • 「淀屋橋駅」(御堂筋線)と「肥後橋駅」(四つ橋線)
  • 「心斎橋駅」(御堂筋線・長堀鶴見緑地線)と「四ツ橋駅」(四つ橋線)




「迂回定期券」の定期代はどうなる?

それでは、気になる迂回定期券の値段についてです。

迂回定期券の運賃(定期代)は、迂回ルートの総距離によって計算します(下表)。このときの距離は実測のものではなく、大阪地下鉄が決めた営業上のものです。

例えば、あなたが設定した大回りルートの距離の合計が15kmでしたら、4区(330円区間)の定期代が迂回定期券の値段になります。

普通運賃 距離 1ヶ月通勤定期 6ヶ月通勤定期
1区 180円 ~3km 7,550円 40,770円
2区 230円 3km超~7km 9,100円 49,140円
3区 280円 7km超~13km 10,650円 57,510円
4区 330円 13km超~19km 11,450円 61,830円
5区 380円 19km超~ 12,390円 66,910円

距離が短い1区や2区では、迂回(大回り)することによって距離が伸び、定期代としては高くなる場合が多いです。逆に、4区や5区はもともとの距離が長いので、迂回しても運賃は同じか若干上がる程度です。

※普通運賃(最短距離)が380円の区間(5区)を利用する人は、「迂回定期券」にしても通常の定期代と変わりません。

迂回ルートの距離は、大阪メトロの公式サイトの「運賃・経路検索」で確認できます)。

「出発地」と「到着地」を入力のうえ、迂回するルートで経由したい駅を「経由地を追加」の欄に入力して「検索」します。すると、区間によってはいくつかルートの候補が表示されます。そのなかに、自分の希望するものと、ルート設定のルールに合うもの(乗り換え2か所以内&同じ駅を2回通らない)があれば、その距離を確認してください。

定期代は、運賃が表示されていますが、それではなく距離によって計算します(上の運賃表を参照)。

【例:江坂駅~天王寺駅~谷町四丁目駅~長田駅の迂回距離を調べる】

大阪メトロ「迂回定期」

迂回ルートは24.3kmなので、迂回定期代は5区(380円)の金額になります。

※希望のルートが検索結果に出ない場合は、区間を分けて検索して、それぞれの距離を合計して算出します。

大阪メトロ公式サイト「運賃・経路検索」へ

(注意点)迂回定期券が作れない場合

迂回定期券は、以下の場合には作ることができません。

通学定期の場合。迂回定期券は通勤定期限定になります。

私鉄連絡定期券の場合。阪急電車や近鉄電車など他社の定期券と一体なっている大阪地下鉄の定期券では作れません。他社の定期券と地下鉄の定期券を2枚に分けると可能です。

「迂回定期券」の具体例

以上、大阪地下鉄の迂回定期券とはどんなものか、そのしくみや運賃をみてきましたが、まだイメージしにくい部分があるかもしれません。

そこで、僕の知り合いが実際に迂回定期券に切り替えた例を4つ挙げてみました。

【例1】「弁天町駅⇔谷町四丁目駅」の場合

「弁天町駅」⇔「谷町四丁目駅」は同じ中央線なので、通常の定期券は、これらの駅を「本町駅」を経由して直接結ぶシンプルなものになります。梅田や難波に出るには、追加の地下鉄代が必要です。

そこで、定期券のルートを、図のように梅田駅を通る「大回り」に設定しました。こうすることで、定期券で梅田駅を利用できるようになりました。これが「迂回定期券」です。

この例では、大回りの迂回定期券に変更にすると、定期代が1,550円(1ヶ月)高くなります。が、梅田へ出るときに乗り越し精算していた片道180円が必要なくなりました。

大阪地下鉄(メトロ)「迂回定期券」の具体例

通常ルートの運賃 普通運賃:230円(2区)、1ヶ月定期代:9,100円
迂回ルートの設定 弁天町駅⇔本町駅⇔梅田駅・東梅田駅⇔谷町四丁目駅
迂回ルート乗換駅 本町駅(中央線⇔御堂筋線)、梅田駅・東梅田駅(御堂筋線⇔谷町線)の2か所
迂回ルートの距離と運賃 10.0km ⇒普通運賃:280円(3区)、1ヶ月定期代:10,650円

【例2】「江坂駅⇔長田駅」の場合

「江坂駅」(御堂筋線)⇔「長田駅」(中央線)の定期券は、通常「本町駅」で乗り換えるルートになります。この定期券では、心斎橋や難波、天王寺へは行けません。ミナミへ遊びに行く時は、別に地下鉄代を払わないといけませんでした。

そこで、図のようなルートの迂回定期券にすると、1ヶ月定期だと940円追加ですが、心斎橋や難波、天王寺へも利用できるようになりました。一方で「堺筋本町駅」で乗り降りできなくなりました。

大阪地下鉄(メトロ)「迂回定期券」の具体例

通常ルートの運賃 普通運賃:330円(4区)、1ヶ月定期代:11,450円
迂回ルートの設定 江坂駅⇔梅田駅⇔難波駅⇔天王寺駅⇔谷町四丁目駅⇔長田駅
迂回ルート乗換駅 天王寺駅(御堂筋線⇔谷町線)、谷町四丁目駅(谷町線⇔中央線)の2か所
迂回ルートの距離と運賃 24.3km ⇒普通運賃:380円(5区)、1ヶ月定期代:12,390円

【例3】「大日駅⇔中ふ頭駅」の場合

「大日駅」(谷町線)⇔「中ふ頭駅」(ニュートラム)間は、いくつかルートがありますが最短距離の通常定期券は「天神橋筋六丁目駅」「堺筋本町駅」「コスモクスエア駅」を経由するものになります。難波や天王寺へは利用できませんでした。

そこで、図のようなルートの迂回定期券にすることで、定期代は変わらずに、その不便は解消できました。

大阪地下鉄(メトロ)「通勤定期券」の具体例

通常ルートの運賃 普通運賃:380円(5区)、1ヶ月定期代:12,390円
迂回ルートの設定 大日駅⇔東梅田駅⇔天王寺駅⇔難波駅⇔本町駅⇔コスモスクエア駅⇔中ふ頭駅
迂回ルート乗換駅 天王寺駅(谷町線⇔御堂筋線)、本町駅(御堂筋線⇔中央線)、コスモスクエア(中央線⇔ニュートラム)
※地下鉄とニュートラムとの乗り換えは回数に入れません。
迂回ルートの距離と運賃 33.8km ⇒普通運賃:380円(5区)、1ヶ月定期代:12,390円

【例4】「なかもず駅⇔阿波座駅」の場合

「なかもず駅」(御堂筋線)⇔「阿波座駅」(中央線・千日前線)の定期券は、通常「難波駅」か「本町駅」を経由するルートになります。これだと梅田駅へは行けません。梅田に行けて、仕事の関係で南港のエリアへもよく行くというので、図のようなルートの迂回定期券にしました。

この例では迂回定期券にすることで、1ヶ月定期で940円高くなります。これと梅田や南港へ行くたびに追加で支払っていた地下鉄代と比べて損得を判断した結果、迂回定期券に切り替えました。

大阪地下鉄(メトロ)「迂回定期券」の具体例

通常ルートの運賃 普通運賃:330円(4区)、1ヶ月定期代:11,450円
迂回ルートの設定 なかもず駅⇔天王寺駅⇔東梅田駅・西梅田駅⇔住之江公園駅⇔コスモスクエア駅⇔阿波座駅
迂回ルート乗換駅 天王寺駅(御堂筋線⇔谷町線)、東梅田・西梅田駅(谷町線⇔四つ橋線)、住之江公園駅(四つ橋線⇔ニュートラム)、コスモスクエア駅(ニュートラム⇔中央線)
※地下鉄とニュートラムとの乗り換えは回数に入れません。
迂回ルートの距離と運賃 46.1km ⇒普通運賃:380円(5区)、1ヶ月定期代:12,390円

「迂回定期券」の買い方は?

大阪地下鉄(メトロ)「迂回定期券」の買い方

迂回定期券は、地下鉄の定期券発売所や主要駅にある自動定期券発行機で買えます。

ただ初めての場合は、ルート設定に問題がないかの確認など、念のために定期券発売所での購入をおすすめします。

発売所では、通常の定期券と同じように、購入申込書に必要事項に記入して提示します。その際、経由駅の欄にはルート上の乗換駅を記入しておきます。複雑な場合は、別にメモしたものを用意したものを用意しておくといいかもしれません。そして、窓口で「迂回です」と一言伝えておくと、スムーズです。

ルートなどに問題なければ、すぐに発券してもらえます。

※迂回定期券には、定期券の表面に「う回」という文字が入ります。

大阪地下鉄(メトロ)「迂回定期券」とは?

【地下鉄定期券発売所】

梅田、東梅田、難波、天王寺、谷町九丁目、玉出、堺筋本町、京橋、なかもず、平野、弁天町 大正、太子橋今市、ポートタウン東

※発売所ごとに営業時間や休業日が異なりますので、大阪メトロの公式サイトで確認ください。

ちなみに、迂回定期券について電話で問い合わせしたいときは、総合窓口の「大阪メトロ・シティバス案内コール」ではなく、定期券発売所に直接かけた方が確実です。「案内コール」ではほとんど把握できていません(電話代がムダです)。※定期券発売所の電話番号も公式サイトに載っています。

大阪メトロの通勤定期券を使う場合、ここで紹介した「迂回定期券」というしくみが使える区間でしらたら使わないと損です。公式サイトなどではほとんど触れられていませんが、ちゃんとした正規の方法ですなので、興味をもったら一度検討してみてください。ルートの設定がパズルみたいでおもしろいですよ。

【参考】迂回定期券より「PiTaPa」の運賃割引サービスが得な場合も

ICカードのPiTaPa(ピタパ)を持っている人は、大阪メトロが提供しているPiTaPa割引サービスと定期券(通常、迂回)を比較してみることをおすすめします。

PiTaPaの方が便利でお得になるかもしれません。特に迂回定期券にすると定期代が高くなるの嫌というあなたはチェックしてみてください。


大阪メトロのPiTaPa割引サービスには、「マイスタイル」「プレミアム」という2つのプランがあります。

「マイスタイル」「プレミアム」とも、毎月の運賃の支払いに上限額が付いたサービスです。

あなたが普段地下鉄を利用している状況によっては、(迂回)定期券よりもお得で便利になるかもしれません。特に乗車区間が230円(2区)や280円(3区)の場合は、その可能性が大です。

例えば、上述の迂回定期券の具体例【例1:弁天町駅⇔谷町四丁目駅】で、PiTaPaの割引サービスを使うと、地下鉄が利用できる範囲と1ヶ月の運賃(費用)はこのようになります。

◆PiTaPa「マイスタイル」の場合(弁天町駅と谷町四丁目駅を登録)

大阪地下鉄(メトロ)「迂回定期券」とPiTaPa「マイスタイル」の違い

PiTaPa「マイスタイル」にすると、赤枠の駅⇔赤枠の駅、赤枠の駅⇔緑枠の駅が利用できます。緑枠駅⇔緑枠の駅は利用できませんが、梅田と難波、キタもミナミにも行けるようになります。しかも、毎月の上限額は6カ月定期券の6分の1(1ヶ月8,190円)なので、(迂回)定期代よりも安くなります。

ちなみにPiTaPa「マイスタイル」には、学割もあります。


◆PiTaPa「プレミアム」の場合(阿波座駅を中心に小エリア=230円区間相当)

大阪地下鉄(メトロ)「迂回定期券」とPiTaPa「プレミアム」の違い

PiTaPa「プレミアム」では、赤枠の駅⇔緑枠の駅と緑枠の駅⇔緑枠駅が利用できます。つまり、色が付いている駅があるエリア内が乗り放題です。弁天町と谷四はもちろん、梅田と難波もそのエリアに入っています。

ただ、「プレミアム」の場合は毎月の上限額が9,190円と1ヶ月定期代より少し高くなります。学割はありません。



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