
こんな疑問にお答えします。
【この記事の内容】
- JR西日本の回数券と、ICOCA・PiTaPaを使った割引サービスのどちらがお得なのかを比較しました。
普段、JRを決まった駅と駅の間をちょくちょく乗るというあなたが、手っ取り早くできる電車代の節約術としては、「回数券の利用」とICカードの「ICOCA(イコカ)ポイントサービス・PiTaPa(ピタパ)割引サービスの利用」の2つが挙げられます。
どちらがお得なのか、JR西日本の電車代を安く抑えられるのかを比較検証してみました。
JR西日本は、ICOCAが使える路線で、回数券の発売を、2021年(令和3年)9月末で終了しました。
このため、関西のほとんどの路線で回数券は廃止されましたが、実は、京都駅~大阪駅など一部の区間では、引き続き買うことができます。ただし、これも2022年9月30日で終了となります。
JRのICOCAポイントサービス・PiTaPa割引サービスとは?
回数券は知ってても、「ICOCAポイントサービス」や「PiTaPa割引サービス」のことはよく知らないという人も多いと思いますので、簡単にまとめてみました。
JR西日本の「ICOCAポイントサービス」「PiTaPa割引サービス」とは、1か月のうちにICカードの「ICOCA(イコカ)」「PiTaPa(ピタパ)」で、JRを利用した回数に応じて、実質的に運賃が割引になるというサービスです。
基本は、毎月1日~末日の間に、同じ運賃区間を10回利用すると、11回目の運賃から1乗車につき15%割引になります。
割引の条件や率は、ICOCAとPiTaPaとも共通ですが、しくみが異なります。
ICOCAポイントサービス 【ポイントで還元】 |
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PiTaPa割引サービス 【請求額から減額】 |
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結論は「回数券の方がお得」!
普段JRを利用する際に、回数券がいいのか、それともICOCAポイントやPiTaPa割引の方がいいのか。
このお悩み、疑問に対する結論ですが、答えは「回数券」です。
その理由は、こちらの表をみていただくと一目瞭然です。
普通回数券 | ICOCA・Pitapa | |
利用対象の区間 | 回数券に記載の区間 (○○駅~○○駅) |
駅に関係なく同じ運賃の区間 (○○円区間) |
割引の適用 | 1枚目の利用から割引が適用されます(9.1%) | 11回目以降の利用から1回につき15%割引。10回目まで割引ありません。 【利用回数ポイント/割引】 |
有効期間/集計期間 | 買った日から3ヶ月有効 | 1ヶ月間(1日~末日) |
回数券は、1回目の乗車から11回目まで、割引になった運賃で利用できます。
一方、ICOCAポイント・PiTaPa割引サービスは、同じ運賃の区間を11回乗って、初めて15%分の割引がつきます。
しかも、月が替わると利用回数はリセット。0からやり直しとなるので、それほど魅力的ではありません。
このことだけでも、回数券の方がお得だと言えます。
ただし、次の両方に当てはまる人に限っては、回数券よりもICOCAポイント・PiTaPa割引サービスの方がお得な場合があります。
- 京阪神間でJRを利用している。
- 平日の昼間や土日、祝日に乗ることが多い。
京阪神ではICOCA・PiTaPaの方がお得な場合も
ICOCAポイント・PiTaPa割引サービスには、京阪神地区限定でそれぞれ「時間帯指定ポイント」「時間帯指定割引」というしくみがあります。
これは、JRが指定する時間帯や曜日に利用すると、運賃の割引率を高くしますよ、というものです。
これを上手く活用すると、回数券よりも、JR代の節約が期待できます。
「時間帯指定ポイント/割引」とは?
ICOCA「時間帯指定ポイント」・PiTaPa「時間帯指定割引」の内容、適用される条件は、次のようになっています。
特に、割引対象になる利用の時間帯が限定されている点が特徴です。
設定区間 |
|
利用時間帯 |
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割引の内容 |
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利用回数の集計期間 |
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まず、ICOCA「時間帯指定ポイント」・PiTaPa「時間帯指定割引」では、対象の区間がグループに分けられています。
同じグループの区間を、指定の時間帯に、1ヶ月(1日~末日)4回以上利用すると、それ以降1回ごとに運賃が30%、または50%が実質割引になります。
割引率はグループごとに、あらかじめ決められています(下表)。
グループ番号 | 適用区間 | 4回目からの 還元率・割引率 |
普通運賃 |
1 | 京都~西大路 | 30% | 130円 |
2 | 京都~桂川 | 30% | 160円 |
3 | 京都~向日町 | 30% | 180円 |
4 | 京都~長岡京 京都~山崎 |
30% | 220円 |
5 | 京都~島本 | 50% | 310円 |
6 | 京都~高槻 京都~摂津富田 |
50% | 400円 |
7 | 京都~JR総持寺 京都~茨木 |
50% | 470円 |
8 | 京都~千里丘 京都~岸辺 |
50% | 560円 |
9 | 京都~吹田 京都~東淀川 京都~新大阪 京都~大阪 西大路~大阪 桂川~大阪 向日町~大阪 |
50% | 570円 |
10 | 長岡京~大阪 | 50% | 560円 |
11 | 山崎~大阪 島本~大阪 |
50% | 470円 |
12 | 高槻~大阪 摂津富田~大阪 JR総持寺~大阪 |
30% | 260円 |
13 | 茨木~大阪 千里丘~大阪 |
30% | 220円 |
14 | 岸辺~大阪 吹田~大阪 |
30% | 180円 |
15 | 東淀川~大阪 新大阪~大阪 |
30% | 160円 |
16 | 大阪~塚本 | 30% | 160円 |
17 | 大阪・北新地~尼崎 | 30% | 180円 |
18 | 大阪・北新地~立花 大阪・北新地~甲子園口 |
30% | 220円 |
19 | 大阪・北新地~西宮 大阪・北新地~さくら夙川 大阪・北新地~芦屋 |
50% | 310円 |
20 | 大阪・北新地~甲南山手 大阪・北新地~摂津本山 大阪・北新地~住吉 |
50% | 400円 |
21 | 大阪・北新地~六甲道 大阪・北新地~摩耶 大阪・北新地~灘 大阪・北新地~三ノ宮 大阪・北新地~元町 塚本~三ノ宮 塚本~元町 |
50% | 410円 |
22 | 尼崎~三ノ宮 尼崎~元町 立花~元町 |
50% | 400円 |
23 | 立花~三ノ宮 甲子園口~三ノ宮 甲子園口~元町 西宮~三ノ宮 西宮~元町 |
50% | 310円 |
24 | さくら夙川~三ノ宮 さくら夙川~元町 芦屋~三ノ宮 芦屋~元町 甲南山手~元町 |
30% | 220円 |
25 | 甲南山手~三ノ宮 摂津本山~三ノ宮 摂津本山~元町 住吉~三ノ宮 住吉~元町 |
30% | 180円 |
26 | 六甲道~三ノ宮 六甲道~元町 摩耶~三ノ宮 摩耶~元町 灘~元町 |
30% | 160円 |
27 | 灘~三ノ宮 | 30% | 130円 |
28 | 大阪・北新地~塚口 大阪・北新地~猪名寺 大阪・北新地~伊丹 |
30% | 240円 |
29 | 大阪・北新地~北伊丹 大阪・北新地~川西池田 |
50% | 330円 |
30 | 大阪・北新地~中山寺 大阪・北新地~宝塚 塚本~宝塚 |
50% | 330円 |
31 | 尼崎~宝塚 塚口~宝塚 |
50% | 330円 |
32 | 猪名寺~宝塚 伊丹~宝塚 |
30% | 240円 |
33 | 北伊丹~宝塚 川西池田~宝塚 |
30% | 200円 |
34 | 中山寺~宝塚 | 30% | 190円 |
京都~大阪「回数券」vs「ICOCAポイント/PiTaPa割引」料金を比較!
それでは、「大阪駅~京都駅」「新大阪駅~京都駅」を、1ヶ月間に最大11回乗車した場合について、「普通回数券」とICOCA・PiTaPaの「時間帯指定ポイント/割引」のどちらが安くつくかを、それぞれの金額を比較してみました。
「大阪駅~京都駅」「新大阪駅~京都駅」は「グループ9」に入っていて、時間帯指定ポイント還元/割引率は50%となっています。
普通運賃は、どちらも570円です。回数券(11回分)は、9回分の値段で発売されています(回数券の特定区間)。
普通回数券 | ICOCA・PiTaPa | |
発売価格 | 5,130円 (1回あたり466円) |
– |
乗車1~3回目 | 466円×3回=1,398円 (累計1,398円) |
570円×3回=1,710円 (累計1,710円) |
乗車4回目 | 466円 (累計1,864円) |
285円 (累計1,995円) |
乗車5回目 | 466円 (累計2,330円) |
285円 (累計2,280円) |
乗車6回目 | 466円 (累計2,796円) |
285円 (累計2,565円) |
乗車7~11回目 | 466円×5回=2,330円 | 285円×5回=1,425円 |
合計 | 5,130円 | 3,990円 |
普通運賃と比較して | 18.1%お得! | 36%お得! |
回数券と比較して | – | 22%お得! |
このように、「大阪駅~京都駅」「新大阪駅~京都駅」では、1か月のうちに5回以上、指定の時間帯に利用するなら、ICOCA・PiTaPaの方が回数券より安くなります。
11回利用すると、2割もお得です。
JR「ICOCAポイント」「PiTaPa割引」公式サイト
JR西日本で実施している「ICOCAポインサービス」「PiTaPa割引サービス」の最新情報は、公式サイトで確認ください。
JR代の節約方法として「回数券」と「ICOCAポイント/PiTaPa割引」ではどちらがお得かということ検証しました。基本的に回数券が安いということになります。
しかし、残念ながら、回数券は一部を除いて廃止されてしまったので、現在は「ICOCAポイント/PiTaPa割引」のみ。ひと月の利用回数が多いようでしたら、うまく活用してみてください。
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